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血糖値だけじゃない!糖尿病性腎症を加速させる「3つの病」と最大級の悪習慣

 公開日:2026/03/20
糖尿病性腎症を引き起こす要因

血糖値以外にも、糖尿病性腎症の発症や進行を早める要因はいくつか存在します。高血圧や脂質異常症、肥満などの生活習慣病は、腎臓に追加の負担をかけます。また、遺伝的な素因や喫煙といった生活習慣も無視できません。これらの要因について理解を深め、総合的な対策を講じることが腎臓を守るうえで重要です。

井筒 琢磨

監修医師
井筒 琢磨(医師)

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江戸川病院所属。専門領域分類は内科(糖尿病内科、腎臓内科)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会

糖尿病性腎症を引き起こす要因

血糖値以外にも、糖尿病性腎症の発症や進行に関与する要因がいくつか存在します。これらの要因を理解し、対策を講じることが大切です。

高血圧と脂質異常症・肥満の影響

高血圧、脂質異常症、肥満は「メタボリックシンドローム」の構成要素であり、それぞれが腎症のリスクを高めます。高血圧は腎臓の血管に直接的なダメージを与えます。脂質異常症は動脈硬化を促進し、腎臓への血流を悪化させます。肥満、特に内臓脂肪の蓄積は、インスリン抵抗性を増大させ血糖コントロールを困難にするだけでなく、脂肪細胞から分泌される悪玉物質が腎臓に悪影響を及ぼすこともわかっています。これらの要因は相互に関連し合っているため、血糖管理と同時に、血圧(目標130/80mmHg未満)、脂質(LDLコレステロール目標120mg/dL未満など)、体重を総合的に管理することが極めて重要です。

遺伝的素因と生活習慣

糖尿病性腎症の発症には遺伝的な要因も関与することが知られており、家族に透析患者さんがいる場合はリスクが高まる可能性があります。しかし、遺伝的素因以上に影響が大きいのが生活習慣です。特に喫煙は、血管を収縮させて腎血流を減少させ、酸化ストレスを増大させることで腎症の独立した最大級のリスク因子とされています。禁煙は、腎症予防において最も効果的な生活習慣改善の一つです。その他、過剰な塩分摂取は血圧を上昇させ、腎臓に直接的な負担をかけます。これらの生活習慣を改善することは、遺伝的リスクを乗り越え、腎臓を守るうえで不可欠です。

まとめ

糖尿病性腎症は、早期には症状が現れにくい一方で、進行すると透析が必要になる深刻な合併症です。しかし、血糖値や血圧の適切な管理、定期的な検査、そして生活習慣の改善によって、発症を予防したり進行を遅らせたりすることは十分に可能です。症状が出てからではなく、糖尿病と診断された時点から腎臓を守る取り組みを始めることが大切です。気になる症状がある方や、長期間糖尿病と付き合っている方は、ぜひ一度専門医に相談してみてください。

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