血糖管理の要! インスリン療法を安全に続けるための保管方法と外出時の3つの備えとは【医師監修】

体内で不足したインスリンを外部から補充するインスリン療法は、糖尿病治療において重要な選択肢の一つです。製剤の種類や投与方法は患者さんの病態や生活環境によって異なるため、それぞれの特徴を理解し適切に使用することが求められます。ここではインスリン製剤の分類と自己注射の実際について説明します。

監修医師:
井筒 琢磨(医師)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会
インスリン療法の種類と使い方
インスリン療法は、体内で不足したインスリンを外部から補充する治療法です。患者さんの病態や生活スタイルに応じて、さまざまな製剤と投与方法が選択されます。
インスリン製剤の分類と特徴
インスリン製剤は、効果の発現時間と持続時間によって複数の種類に分けられます。超速効型インスリンは注射後10〜20分で効果が現れ、3〜5時間持続するため、食事の直前に投与します。速効型インスリンは効果発現が30分程度で、5〜8時間持続します。
持効型インスリンは投与後1〜2時間で効果が現れ、ほぼ一定の濃度を24時間以上維持します。これらを組み合わせることで、生理的なインスリン分泌パターンに近い血糖管理を目指します。
自己注射の方法と日常管理
インスリン療法を開始する際は、医療機関で注射手技の指導を受けます。現在はペン型注射器が主流であり、カートリッジ式や使い捨てのプレフィルド型があります。注射部位は腹部、大腿部、上腕部、臀部などが選ばれ、同じ部位に繰り返し注射すると皮下組織が硬くなる(リポハイパートロフィー)ため、毎回部位を変えることが推奨されます。
注射針は使い捨てであり、一度使用した針の再利用は感染や針先の劣化を招くため避けるべきです。インスリンは冷所保管が基本ですが、使用中のペンは室温で保管可能です。外出時には保冷剤を利用し、直射日光や高温を避けることが大切です。
まとめ
糖尿病は一度発症すると、完全に治癒することは難しいとされています。しかし、適切な食事管理、定期的な検査、必要に応じたインスリン療法や薬物治療により、血糖値を良好に管理し、合併症の発症や進行を防ぐことは十分に可能です。三大疾病のリスクを低減し、低血糖症状への対処法を身につけることで、安全で質の高い日常生活を送ることができます。自己判断で治療を中断せず、定期的に医療機関を受診し、専門家の助言を受けながら管理を続けていくことが大切です。
参考文献