「糖尿病の悪化」を防ぐ食事をご存じですか? 無理なく続ける食事管理3つのコツを医師が解説

理論を理解した後は、それを日常生活の中で無理なく継続していくことが重要となります。食品交換表の活用方法や外食時の工夫など、実践的なアプローチを身につけることで、長期的に良好な血糖管理を維持できます。ここでは具体的な献立の組み立て方や外食での注意点について解説します。

監修医師:
井筒 琢磨(医師)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会
糖尿病治療における食事の実践方法
理論を理解しても、実際の生活で継続できなければ意味がありません。無理なく続けられる食事管理の工夫が、長期的な血糖管理の鍵となります。
食品交換表を活用した献立作り
日本糖尿病学会が発行する「糖尿病食事療法のための食品交換表」は、食品を栄養素の特徴ごとに6つの表に分類し、それぞれ80kcalを1単位として扱います。この仕組みを使うことで、指示されたエネルギー量の範囲内で多様な食材を組み合わせやすくなります。
例えば、1日1,600kcalの指示であれば20単位となり、それを朝・昼・夕・間食に配分します。表1(穀物)から何単位、表3(たんぱく質食品)から何単位といった具合に振り分けることで、栄養バランスを保ちながら献立を組み立てられます。最初は煩雑に感じるかもしれませんが、慣れれば柔軟に食事を楽しむ助けとなるでしょう。
外食や中食での注意点
現代の生活では、自炊だけで食事を完結させることは難しい場合も少なくありません。外食や市販の惣菜を利用する際は、メニュー選びと食べ方に工夫が必要です。
丼物や麺類の単品は炭水化物に偏りやすいため、定食スタイルでおかずと汁物がそろった形を選ぶと栄養バランスが整いやすくなります。揚げ物や炒め物は脂質が多くなりがちなので、蒸し料理や煮物、焼き物を中心にすると良いでしょう。また、ドレッシングやソースは別添えにしてもらい、使用量を自分で調整することもエネルギー管理に役立ちます。
まとめ
糖尿病は一度発症すると、完全に治癒することは難しいとされています。しかし、適切な食事管理、定期的な検査、必要に応じたインスリン療法や薬物治療により、血糖値を良好に管理し、合併症の発症や進行を防ぐことは十分に可能です。三大疾病のリスクを低減し、低血糖症状への対処法を身につけることで、安全で質の高い日常生活を送ることができます。自己判断で治療を中断せず、定期的に医療機関を受診し、専門家の助言を受けながら管理を続けていくことが大切です。
参考文献