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「糖尿病患者の食事療法」で守るべき3つの数値とは? 適切な栄養バランスを医師が解説

 公開日:2026/03/12
糖尿病における食事療法の基本原則

糖尿病の治療において食事療法が果たす役割は極めて大きく、血糖値のコントロールに直接的な影響を与えます。日々の食事内容を見直すことで、薬物療法の効果を高め、合併症のリスクを低減できます。ここでは、エネルギー摂取量の考え方や栄養バランスの取り方など、食事療法の基本的な考え方について詳しく見ていきましょう。

井筒 琢磨

監修医師
井筒 琢磨(医師)

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江戸川病院所属。専門領域分類は内科(糖尿病内科、腎臓内科)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会

糖尿病における食事療法の基本原則

糖尿病の管理において、食事療法は治療の根幹を成す重要な要素です。血糖値は食事から摂取する炭水化物の影響を直接的に受けるため、何をどれだけ食べるかが疾患の管理に大きく関わります。

適切なエネルギー摂取量の考え方

糖尿病の食事療法では、まず自分に適したエネルギー摂取量を把握することが出発点となります。必要なエネルギー量は、標準体重と身体活動レベルによって算出されます。標準体重は「身長(m)×身長(m)×22」で計算され、これに活動量に応じた係数(軽労作25〜30kcal/kg、普通の労作30〜35kcal/kg、重い労作35kcal/kg以上)を掛けることで、1日に必要なエネルギー量が求められます。
過剰なエネルギー摂取は体重増加につながり、インスリン抵抗性を悪化させる要因となります。一方で、極端な制限は栄養不足や低血糖を招く恐れがあるため、医師や管理栄養士と相談しながら適切な範囲を見極めることが重要です。

栄養バランスと食品選択のポイント

エネルギー量だけでなく、栄養素のバランスも欠かせません。炭水化物は総エネルギーの50〜60%程度を目安とし、食物繊維が豊富な全粒穀物や野菜を中心に選ぶことが推奨されます。たんぱく質は標準体重1kgあたり1.0〜1.2g程度、脂質は総エネルギーの20〜25%以下に抑え、特に動物性脂肪よりも植物油や魚に含まれる不飽和脂肪酸を意識的に取り入れると良いでしょう。
食物繊維は血糖値の急上昇を抑える効果があるため、野菜・海藻・きのこ類を積極的に摂取することが勧められます。また、食事の順番も血糖管理に影響を与えます。野菜から先に食べ始め、次にたんぱく質、最後に炭水化物を摂ることで、食後血糖値の上昇を緩やかにできるといわれています。

まとめ

糖尿病は一度発症すると、完全に治癒することは難しいとされています。しかし、適切な食事管理、定期的な検査、必要に応じたインスリン療法や薬物治療により、血糖値を良好に管理し、合併症の発症や進行を防ぐことは十分に可能です。三大疾病のリスクを低減し、低血糖症状への対処法を身につけることで、安全で質の高い日常生活を送ることができます。自己判断で治療を中断せず、定期的に医療機関を受診し、専門家の助言を受けながら管理を続けていくことが大切です。

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