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「日本住血吸虫症」の感染リスクがある地域とはご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2026/03/28
海外渡航時の感染リスクがある地域

海外渡航時の感染リスクがある地域

日本国内では撲滅された日本住血吸虫症ですが、中国やフィリピン、インドネシアなどのアジア地域では依然として流行が続いています。これらの地域を訪れる際には、現地の感染状況を事前に把握し適切な予防対策を講じることが重要です。ここではアジア地域における流行状況と、渡航前に確認すべき情報源について詳しく解説します。

小幡 史明

監修医師
小幡 史明(医師)

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自治医科大学医学部卒業 / 現在は医療法人静可会三加茂田中病院、医療法人在宅会 みんなのクリニック勤務 / 専門は総合診療科、腎臓内科、感染症科

海外渡航時の感染リスクがある地域

日本国内では撲滅された日本住血吸虫症ですが、海外では依然として流行している地域が存在します。渡航前に流行地域の情報を把握し、適切な予防対策を講じることが重要です。

アジア地域における流行状況

日本住血吸虫症が現在も流行している主要な国は、中国、フィリピン、インドネシアです。中国では揚子江流域を中心に感染が続いており、特に湖南省、湖北省、江西省、安徽省などの農村部でリスクが高くなっています。近年は対策の強化により感染者数は減少傾向にありますが、完全な撲滅には至っていません。
フィリピンでは、ミンダナオ島やサマール島、レイテ島などの農村部で感染が見られます。水田や灌漑施設の周辺、淡水湖の近くに住む方々の間で感染が続いています。インドネシアでは、スラウェシ島のリンドゥ湖周辺や中央スラウェシ州の一部地域が流行地として知られています。
これらの地域では、農業従事者や水辺で生活する住民の間で感染が継続しています。観光地であっても、地方の農村部や湖沼地域では感染リスクがあります。都市部ではリスクは低いですが、郊外の水田地帯や河川、湖での活動には注意が必要です。現地での長期滞在や農村部でのボランティア活動などでは、特に警戒が求められます。

渡航前に確認すべき情報源

海外渡航前には、訪問先の感染症情報を確認することが大切です。厚生労働省検疫所のウェブサイト「FORTH(For Travelers' Health)」では、国別の感染症情報が提供されています。各国の流行状況や予防方法について最新の情報を入手できます。
外務省の海外安全ホームページでも、渡航先の安全情報とともに健康リスクについての情報が掲載されています。渡航先を選択することで、その国や地域で注意すべき感染症を確認できます。医療機関の情報も提供されているため、万が一の際の参考にもなります。
トラベルクリニックや渡航外来では、専門の医師から渡航先に応じたアドバイスを受けることができます。予防接種が必要な感染症や、持参すべき薬剤、現地での注意点などについて、個別に相談できます。特に長期滞在や農村部への訪問を予定している方は、事前に専門医への相談をおすすめします。現地での医療事情や緊急時の対応についても情報を得ることができ、安心して渡航できます。

まとめ

日本住血吸虫症は、かつて日本国内で多くの方を苦しめた寄生虫感染症ですが、現在では官民一体の取り組みにより国内での撲滅に成功しました。しかし海外の流行地域では依然として感染リスクが存在します。症状や感染経路、治療法についての正確な知識を持ち、海外渡航時には適切な予防対策を実践することが重要です。流行地域を訪れる際は淡水との接触を避け、帰国後は健康状態に注意を払い、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

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