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「脳出血」の予後を分ける点数とは? NIHSSスコアが高いほど「危ない」と言われるワケ

 公開日:2026/03/16
脳出血の診断に伴う補助検査

画像検査に加えて、血液検査や神経学的評価などの補助検査が実施されます。凝固機能や肝腎機能の評価は治療方針の決定に不可欠であり、神経学的スケールによる重症度判定は予後予測や治療効果の判断に役立ちます。これらの検査項目とその意義について詳しく解説します。

田頭 秀悟

監修医師
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)

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鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。

脳出血の診断に伴う補助検査

画像検査に加えて、全身状態の評価や合併症の確認、治療方針の決定のために各種検査が実施されます。これらの検査結果を総合的に判断することで、適切な治療が選択されます。

血液検査と凝固機能の評価

血液検査では、凝固機能、肝機能、腎機能、電解質、血糖値などが評価されます。凝固機能検査は特に重要で、PT(プロトロンビン時間)、APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)、血小板数などが測定されます。抗凝固薬を服用している場合、その効果の程度を評価し、必要に応じて中和剤の投与が検討されます。

血算では白血球数、赤血球数、ヘモグロビン値、血小板数などが確認されます。感染症の合併や貧血の有無、血小板減少症などが評価されます。血小板数が低下している場合、出血が増悪するリスクがあり、輸血が必要となることもあります。

生化学検査では肝機能(AST、ALT)や腎機能(クレアチニン、BUN)が評価されます。これらの臓器機能は使用できる薬剤の選択や、手術の安全性に影響します。電解質異常(ナトリウム、カリウムなど)は意識障害の原因となることがあり、補正が必要です。血糖値の異常も予後に影響するため、適切に管理されます。

神経学的評価とスケールによる重症度判定

神経学的評価では、意識レベル、運動機能、感覚機能、言語機能、眼球運動などが詳細に診察されます。意識レベルはJCSやGCSといったスケールで数値化され、経時的な変化が記録されます。これにより病態の進行や治療効果が客観的に評価されます。

運動麻痺の程度はMMT(manual muscle testing)などで評価されます。0(完全麻痺)から5(正常)までの6段階で筋力が評価され、左右差や上下肢の差が記録されます。深部腱反射や病的反射(バビンスキー反射など)の有無も確認されます。

NIHSSや日本脳卒中スケール(JSSなど)といった包括的評価スケールも使用されます。これらのスケールは複数の神経機能項目を点数化し、脳卒中の重症度を総合的に評価します。点数が高いほど重症であり、予後予測や治療方針の決定に役立ちます。経時的に評価することで、治療効果や病態の変化を把握できます。

まとめ

脳出血は突然発症し、重篤な後遺症を残す可能性がある疾患ですが、早期発見と適切な治療により予後は改善します。前兆となるサインを見逃さず、危険因子を適切に管理することが予防の基本です。特に高血圧のある方は定期的な受診と血圧のコントロールが不可欠です。気になる症状がある場合は、速やかに脳神経外科や脳神経内科を受診することをおすすめします。

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