「脳出血」を疑ったら… 病院で行われる「3つの主要検査」とそれぞれの役割とは

脳出血が疑われる場合、迅速かつ正確な診断が求められます。頭部CT検査は発症直後から出血を明瞭に確認でき、緊急時の第一選択となります。MRI検査はより詳細な情報を提供し、血管造影検査では原因となる血管異常の評価が可能です。ここでは各検査の役割と特徴を解説します。

監修医師:
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)
目次 -INDEX-
脳出血の診断に必要な検査
脳出血が疑われる場合、迅速かつ正確な診断が求められます。画像検査を中心とした各種検査により、出血の有無、部位、範囲、原因などが明らかにされます。
CT検査とMRI検査の役割
頭部CT検査は脳出血の診断において最も基本的で重要な検査です。出血は白く(高吸収域として)描出されるため、発症直後から明瞭に確認できます。検査時間が5〜10分程度と短く、緊急時に迅速に実施できる利点があります。出血の部位、大きさ、脳室内への穿破の有無などが評価されます。
CT検査では出血量も推定できます。出血量の計算には様々な方法がありますが、一般的には最大断面積と厚さから概算されます。出血量が30mL以上になると予後が悪くなるとされ、手術適応の判断材料となります。また、周囲の脳浮腫の程度や、脳ヘルニアの兆候も評価されます。
MRI検査はCT検査よりも詳細な情報を提供します。特にT2*強調画像やSWI(susceptibility weighted imaging)という撮像法では、微小出血や過去の出血痕も検出できます。脳アミロイド血管症や動静脈奇形などの原因疾患の診断にも有用です。ただし、検査時間が20〜30分程度かかるため、重症患者には適さない場合があります。
血管造影検査と原因精査
脳血管造影検査は、血管の詳細な構造を評価するために実施されます。カテーテルを用いた従来型の血管造影(DSA: digital subtraction angiography)は、最も詳細な血管情報が得られる検査です。動脈瘤や動静脈奇形、血管炎などの診断に不可欠です。
CT血管造影(CTA)やMR血管造影(MRA)は、非侵襲的に血管の形態を評価できる検査です。CTAは造影剤を静脈注射してCT撮影を行う方法で、数分で終了します。動脈瘤の検出率も高く、緊急時の原因検索に適しています。MRAは造影剤なしでも血管の描出が可能です。
若年者の脳出血や、高血圧の既往がない場合、特に大脳皮質の表面近くの出血では、血管奇形などの構造的異常を疑い血管造影検査が推奨されます。また、出血部位が非典型的な場合や、繰り返し脳出血を起こしている場合も、原因精査のために血管造影が必要となることがあります。
まとめ
脳出血は突然発症し、重篤な後遺症を残す可能性がある疾患ですが、早期発見と適切な治療により予後は改善します。前兆となるサインを見逃さず、危険因子を適切に管理することが予防の基本です。特に高血圧のある方は定期的な受診と血圧のコントロールが不可欠です。気になる症状がある場合は、速やかに脳神経外科や脳神経内科を受診することをおすすめします。

