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「脳出血」部位によって180度変わる「初期症状」の見分け方【医師解説】

 公開日:2026/03/13
脳出血の部位別に異なる症状パターン

脳内の出血部位によって現れる症状は大きく異なります。被殻出血では運動麻痺が、視床出血では感覚障害が前面に出るなど、各部位が担う機能に応じた特徴的な症状が発現します。小脳出血や脳幹出血では生命に直結する症状が現れることもあり、出血部位の特定が治療方針の決定に重要です。

田頭 秀悟

監修医師
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)

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鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。

脳出血の部位別に異なる症状パターン

脳出血は出血が生じた部位によって症状が大きく異なります。脳の各領域が担う機能が異なるため、障害される部位に応じた特徴的な症状が現れます。

被殻出血と視床出血の症状の違い

被殻出血は脳出血の中で最も頻度が高く、全体の約30〜40%を占めます。被殻は大脳基底核の一部で、運動機能の調整に重要な役割を果たしています。被殻出血では対側(出血と反対側)の片麻痺が典型的な症状として現れます。

視床出血は全脳出血の約20〜30%を占め、感覚障害が前面に出るのが特徴です。視床は感覚情報の中継点であるため、対側の感覚障害(しびれ、痛み、温度感覚の鈍麻)が顕著に現れます。また、視床痛と呼ばれる難治性の神経痛が後遺症として残ることもあります。

視床出血では特徴的な眼球運動障害も見られます。内方を向いて動かなくなる内転障害や、下方を向いたまま動かない共同偏視などが観察されます。これらの眼症状は視床出血を診断する際の重要な手がかりとなります。

小脳出血と脳幹出血の特徴的症状

小脳出血は全脳出血の約10%程度を占めます。小脳は身体のバランスや協調運動を司るため、小脳出血では激しいめまいや吐き気、嘔吐が主症状となります。立つことも歩くこともできなくなる運動失調が特徴的です。

小脳出血では後頭部の激しい頭痛を訴えることが多く、頭を動かすと症状が悪化します。眼振(眼球が細かく揺れる現象)も小脳障害の典型的なサインです。小脳出血は血腫が大きくなると脳幹を圧迫し、意識障害や呼吸障害を引き起こす危険性があります。

脳幹出血は最も予後が厳しい脳出血で、全体の約10%を占めます。脳幹には生命維持に必要な呼吸中枢や循環中枢があるため、発症直後から意識障害や呼吸障害が出現します。四肢麻痺や瞳孔異常(針のように小さくなる縮瞳)も特徴的で、緊急の集中治療が必要となります。

まとめ

脳出血は突然発症し、重篤な後遺症を残す可能性がある疾患ですが、早期発見と適切な治療により予後は改善します。前兆となるサインを見逃さず、危険因子を適切に管理することが予防の基本です。特に高血圧のある方は定期的な受診と血圧のコントロールが不可欠です。気になる症状がある場合は、速やかに脳神経外科や脳神経内科を受診することをおすすめします。

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