「脳出血」の開頭手術と内視鏡手術のメリット・デメリット【医師解説】

血腫が大きい場合や神経症状が急速に悪化する場合には、外科的治療が検討されます。開頭血腫除去術や定位的血腫吸引術などの方法があり、それぞれに適応と特徴があります。また脳室ドレナージなどの緊急処置についても、その適応と方法を詳しく解説します。

監修医師:
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)
脳出血の外科的治療と手術適応
血腫が大きい場合や、神経症状が急速に悪化する場合、意識レベルが低下している場合などには、外科的治療が検討されます。手術により血腫を除去し、頭蓋内圧を低下させることが目的です。
開頭血腫除去術の適応と方法
開頭血腫除去術は、頭蓋骨を一時的に開けて血腫を直接取り除く手術です。主に皮質下出血や小脳出血で、血腫が30mL以上で意識障害が進行している場合に適応となります。小脳出血では血腫が脳幹を圧迫すると急速に重症化するため、比較的早期に手術が行われることがあります。
手術では、出血部位に近い頭皮を切開し、頭蓋骨を開けます。血腫を丁寧に吸引・除去し、出血している血管があれば止血処置を行います。血腫を除去することで脳への圧迫が解除され、頭蓋内圧が低下します。手術後は開けた頭蓋骨を元に戻して固定します。
ただし、被殻出血や視床出血などの深部出血では、血腫に到達するために正常な脳組織を通過する必要があり、新たな神経障害を引き起こすリスクがあります。そのため、深部出血では手術の効果が限定的とされ、保存的治療が選択されることが多くなっています。
低侵襲手術と脳室ドレナージ
定位的血腫吸引術は、CTやMRIで血腫の位置を正確に測定し、小さな穴から細い管を挿入して血腫を吸引する方法です。開頭術に比べて侵襲が少なく、手術時間も短いため、高齢者や全身状態が不良な患者にも適用できる可能性があります。
神経内視鏡を用いた血腫除去術も行われています。小さな穴から内視鏡を挿入し、モニター画面を見ながら血腫を除去する方法です。直視下で止血も確認できるため、より確実な治療が可能とされています。ただし、すべての施設で実施できるわけではなく、専門的な技術が必要です。
脳室内に出血が穿破している場合は、脳室ドレナージが行われます。頭蓋骨に小さな穴を開け、脳室内にカテーテルを挿入し、血液の混じった髄液を体外に排出します。脳室内の血腫が水頭症を引き起こすと急速に意識レベルが低下するため、緊急処置として実施されることがあります。
まとめ
脳出血は突然発症し、重篤な後遺症を残す可能性がある疾患ですが、早期発見と適切な治療により予後は改善します。前兆となるサインを見逃さず、危険因子を適切に管理することが予防の基本です。特に高血圧のある方は定期的な受診と血圧のコントロールが不可欠です。気になる症状がある場合は、速やかに脳神経外科や脳神経内科を受診することをおすすめします。


