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「脳卒中」の急性期治療とは?脳梗塞や脳出血の予後を左右する早期対応の重要性

 公開日:2026/03/21
「脳卒中」の急性期治療とは?脳梗塞や脳出血の予後を左右する早期対応の重要性

脳卒中と診断された場合、発症からの時間や病型に応じて急性期治療が行われます。特に脳梗塞では血栓を溶かす血栓溶解療法や血管内治療が重要で、早期に治療を開始するほど後遺症を軽減できる可能性があります。一方、脳出血やくも膜下出血では出血の拡大を防ぐ治療や外科的手術が必要になることもあります。ここでは脳卒中の急性期に行われる主な治療法について解説します。

田頭 秀悟

監修医師
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)

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鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。

脳卒中の急性期治療

脳卒中と診断されたら、発症からの時間と病型に応じた治療が速やかに開始されます。特に急性期の治療は予後を大きく左右するため、専門的な医療が提供されます。

脳梗塞の血栓溶解療法

脳梗塞に対する代表的な治療法が、血栓溶解療法です。t-PAと呼ばれる薬剤を静脈から投与し、血管を詰まらせている血栓を溶かすことで血流を再開させます。この治療は発症から4.5時間以内に開始する必要があり、時間が早ければ早いほど効果が高いとされています。
ただし、すべての方にこの治療が適用できるわけではありません。出血のリスクが高い方や、最近手術を受けた方、極めて高血圧の方などは適応外となります。また、治療による出血性合併症のリスクもあるため、慎重な適応判断が行われます。治療が成功すれば、症状が劇的に改善することも少なくありません。
血栓溶解療法の適応とならない場合や、治療を行っても十分な効果が得られない場合には、血管内治療が検討されます。カテーテルを使って血栓を直接取り除く機械的血栓回収療法は、発症から6時間以内、条件によっては24時間以内でも有効とされています。

脳出血・くも膜下出血の治療

脳出血の治療では、まず血圧を適切にコントロールし、出血の拡大を防ぎます。血腫が大きい場合や、脳室内に出血が及んでいる場合、意識障害が進行する場合などでは、外科的に血腫を取り除く開頭血腫除去術が検討されます。また、脳室ドレナージといって、脳室にたまった血液や脳脊髄液を体外に排出する処置が必要になることもあります。
くも膜下出血の多くは脳動脈瘤の破裂が原因です。再破裂を防ぐために、できるだけ早期に動脈瘤を処置する必要があります。開頭して動脈瘤の根元をクリップで挟むクリッピング術と、カテーテルを使って動脈瘤内にコイルを詰めるコイル塞栓術があり、動脈瘤の位置や形状、患者さんの状態によって選択されます。

まとめ

脳卒中は発症すると生命に関わり、重大な後遺症を残す可能性がある疾患ですが、前兆を見逃さずに早期発見・早期治療を行うことで、予後を大きく改善できます。また、生活習慣の見直しや基礎疾患の適切な管理により、発症リスクを減らすことも可能です。少しでも気になる症状があれば躊躇せずに医療機関を受診し、定期的な健康診断で自分の身体の状態を把握しておきましょう。専門医による適切な診断と治療、そしてリハビリテーションを通じて、多くの方が日常生活への復帰を果たしています。この記事が、脳卒中への理解を深め、ご自身やご家族の健康を守る一助となれば幸いです。

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