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慢性骨髄性白血病の診断に「画像検査」が欠かせない理由とは?詳しい検査方法を医師が解説!

 公開日:2026/03/29
画像検査と追加の診断方法

血液や骨髄の検査に加えて、画像検査も診断や病期評価において重要な役割を果たします。超音波検査やCT検査により、脾臓や肝臓の腫大の程度を正確に把握できます。また、治療開始後は遺伝子検査を定期的に行い、治療効果を客観的に評価していきます。これらの検査により、身体の状態を多角的に把握し、最適な治療方針を立てることが可能となります。

山本 佳奈

監修医師
山本 佳奈(ナビタスクリニック)

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滋賀医科大学医学部 卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科

画像検査と追加の診断方法

血液検査や骨髄検査に加えて、画像検査も診断や病期の評価に役立ちます。身体の状態を多角的に把握することで、治療計画が立てやすくなります。

超音波検査やCT検査の役割

腹部超音波検査は、脾臓や肝臓の腫れの有無や程度を評価するために最初に行われることが多い、身体に負担の少ない検査です。リアルタイムで臓器の様子を観察できる利点があります。これにより、脾臓の大きさを正確に測定し、病気の進行度を判断する材料とします。

一方、CT検査では、身体の断面を詳細に撮影することで、超音波検査よりもさらに詳しい情報を得ることができます。脾臓や肝臓の大きさだけでなく、腹部や胸部のリンパ節の腫れなど、他の臓器への影響も精密に評価することが可能です。検査の精度を高めるために造影剤を使用することがありますが、アレルギーのある方や腎機能に問題がある方は、事前に医師に申告する必要があります。

MRI検査は、CT検査ほど頻繁には用いられませんが、特定の状況で有用です。例えば、骨に痛みがある場合に骨髄の状態を詳しく評価したり、非常に稀ですが中枢神経系への浸潤が疑われる場合に用いられたりします。放射線被曝がないという利点もあります。

遺伝子検査とモニタリング

診断後、治療効果を客観的に評価するために、定期的な遺伝子検査が不可欠です。これはリアルタイムPCR法(定量的PCR法)を用いて、血液中のBCR-ABL融合遺伝子の量を精密に測定する検査です。この検査により、治療薬ががん細胞をどの程度減少させているかを分子レベルで把握できます。結果は国際標準値(IS)に基づいて評価され、治療が順調に進んでいるかどうかの重要な指標となります。

治療中は通常、3ヶ月ごとに血液を採取して遺伝子検査を行います。このモニタリングにより、BCR-ABL融合遺伝子の量が目標通りに減少しているかを確認します。もし遺伝子量が期待通りに減少しない、あるいは一度減少した後に再び増加するような場合は、薬の効果が不十分であるか、薬剤耐性が生じている可能性が考えられます。

治療効果が不十分な場合には、BCR-ABL遺伝子に変異が生じていないかを確認するための「遺伝子変異解析」が行われることがあります。特定の変異は、使用中のチロシンキナーゼ阻害薬に対する耐性の原因となります。変異の種類を特定することで、より効果が期待できる別の薬剤へ変更するなど、個別化された治療方針を立てることが可能になります。

まとめ

慢性骨髄性白血病は、初期には症状が現れにくい病気ですが、定期的な健康診断や血液検査が、早期発見につながることがあります。染色体異常によって引き起こされるこの病気は、分子標的薬の登場により治療成績が大きく向上しました。現在では、慢性骨髄性白血病は適切な治療により長期にわたりコントロール可能な慢性疾患と位置づけられています。適切な治療を継続することで、多くの方が通常の日常生活を送りながら病気と向き合うことができます。症状や身体の変化に気づいたときは、早めに医療機関を受診し、専門医に相談することが大切です。治療法の選択肢も広がっており、個々の状況に応じた適切な治療を受けることで、長期にわたる安定した疾患コントロールが期待されています。

この記事の監修医師