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“血糖値”が急に下がるのはなぜ? 『低血糖症』になりやすい人の「本当の特徴」

 公開日:2026/03/05
“血糖値”が急に下がるのはなぜ? 『低血糖症』になりやすい人の「本当の特徴」

低血糖症のリスクは個人によって大きく異なり、疾患の有無や生活環境が深く関わっています。血糖値の調節機能が不安定になりやすい条件をお持ちの方は、日常生活の中で特に注意が必要です。ここでは、どのような方が低血糖症になりやすいのか、その特徴について詳しく見ていきます。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

低血糖症になりやすい方の特徴

低血糖症のリスクは、個人の疾患や生活習慣、体質によって大きく異なります。特定の条件を持つ方は、血糖値の調節機能が不安定になりやすく、注意が必要です。

糖尿病治療中の方

糖尿病の治療を受けている方は、低血糖症のリスクが高い代表的な集団です。インスリン注射や経口血糖降下薬を使用している場合、薬剤の効果が強く現れすぎたり、食事のタイミングが適切でなかったりすると、血糖値が急激に低下することがあります。特にインスリン分泌を促進する薬剤や、インスリンそのものを投与している方は、日々の血糖管理に細心の注意を払う必要があります。
食事量が普段より少ない日や、運動量が増えた日には、薬剤の効果が相対的に強くなり、低血糖症状が現れやすくなります。また、腎機能や肝機能が低下している方では、薬剤の代謝や排泄が遅れるため、血糖降下作用が長引いてしまう可能性も考えられます。高齢の糖尿病患者さんでは、低血糖の自覚症状が乏しくなることもあり、無自覚性低血糖のリスクが高まる傾向があります。
定期的な血糖測定と、医師との綿密な相談によって投薬量を調整することが重要です。糖尿病治療中の方は、自身の血糖パターンを把握し、低血糖の兆候を早期に察知できるよう日頃から意識しておくことが求められます。

特定の疾患や体質を持つ方

糖尿病以外にも、低血糖症になりやすい疾患や体質が存在します。膵臓や肝臓、内分泌系の疾患は血糖調節機能に直接影響を及ぼすため、注意が必要です。
膵臓にインスリンを過剰分泌する腫瘍(インスリノーマ(インスリンを出し続けてしまう膵臓のまれな腫瘍))がある場合、食事に関係なく血糖値が低下することがあります。また、肝臓は糖の貯蔵と放出を担う臓器であり、肝硬変や肝炎などで肝機能が低下すると、糖の供給が不安定になり低血糖を起こしやすくなります。副腎や下垂体の機能低下症では、血糖を維持するホルモンの分泌が不足し、低血糖症状が現れることがあります。
さらに、胃切除術後の方は、食物の通過速度が速くなることで食後に急激な血糖上昇とその後の反応性低血糖が起こりやすい傾向があります。このような状態は「ダンピング症候群(胃の切除後、食べ物が急速に小腸へ流れ込むことで起こる様々な不快症状)」の一部として知られており、食事内容や食べ方の工夫が求められます。
これらの疾患や体質をお持ちの方は、専門の医師による定期的な経過観察と適切な治療が不可欠です。個人差が大きいため、それぞれの状態に応じた対応が必要になります。

まとめ

低血糖症は、糖尿病治療中の方だけでなく、さまざまな疾患や生活習慣によって誰にでも起こり得る状態です。なりやすい方の特徴を理解し、原因を把握することで、予防と早期対処が可能になります。症状の兆候を見逃さず、適切な食べ物や治療によって血糖値を安定させることが重要です。低血糖を繰り返す場合や、日常生活に支障をきたす症状がある場合には、専門の医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。

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