膠原病にはどんな疾患がある? 関節リウマチやSLEなど代表的な膠原病の違いを医師が解説

膠原病にはさまざまな疾患が含まれ、それぞれ特徴的な症状があります。関節リウマチは関節の炎症が中心となり、全身性エリテマトーデスは多臓器に症状が現れるなど、疾患によって侵される部位や症状の現れ方が異なります。本見出しでは、代表的な膠原病の症状の違いについて、疾患別に詳しく解説します。

監修医師:
佐藤 章子(医師)
東京女子医科大学医学部卒業 / 川崎市立川崎病院整形外科初期研修医 / 東京女子医科大学東医療センター整形外科リウマチ科医療練士助教待遇 / 東京警察病院整形外科シニアレジデント / 医療法人社団福寿会整形外科 / 菊名記念病院整形外科 / 厚生中央病院整形外科 / 日本医科大学付属病院整形外科リウマチ科助教 / 国立国際医療研究センター国府台病院整形外科 / 現在は無所属だが大学院進学、リウマチ班のある大学への移籍を交渉中 / 専門は整形外科、リウマチ科 / 他に得意分野は骨粗鬆症治療と高齢者治療
【主な研究内容・論文】
リウマチ患者に対する生物学的製剤の治療成績の検討、人工肘関節弛緩術の治療成績の検討、精神科疾患を合併する整形外科手術症例の検討など
【保有免許・資格】
日本整形外科学会専門医、リウマチ認定医
臨床研修指導医
疾患別に見る膠原病の症状
膠原病にはさまざまな疾患が含まれ、それぞれ特徴的な症状があります。代表的な膠原病について、具体的な症状の違いを理解することは、早期発見と適切な治療につながります。
関節リウマチの症状
関節リウマチは、慢性的に関節の炎症が続く疾患です。主に手指、手首、足趾などの小さな関節が左右対称に侵されます。朝起きたときの関節のこわばりが1時間以上続くことが特徴で、動かしているうちに徐々に改善していきます。
関節は腫れて痛み、熱感を伴うことがあります。進行すると関節の破壊が起こり、変形や機能障害が生じます。手指の関節が変形すると、ボタンをかける、瓶の蓋を開けるといった日常動作が困難になります。足の関節が変形すると、歩行に支障をきたします。
関節外症状として、皮下結節(リウマトイド結節)が肘の伸展側に現れることがあります。間質性肺炎や胸膜炎などの肺病変、血管炎、末梢神経障害などが起こることもあります。貧血や全身倦怠感も一般的な症状です。
早期の関節リウマチでは、症状が軽度で他の疾患との区別が難しい場合があります。数週間以上続く関節の腫れや痛み、朝のこわばりがある場合は、専門医の診察を受けることが推奨されます。早期診断と早期治療により、関節破壊の進行を抑えることができます。
全身性エリテマトーデスと他の膠原病
全身性エリテマトーデスは、全身のさまざまな臓器が侵される自己免疫疾患です。頬と鼻にかけての蝶形紅斑が特徴的ですが、すべての患者さんに現れるわけではありません。光線過敏症があり、日光に当たると皮疹が発症したり悪化します。
腎臓が侵されるループス腎炎は、重要な合併症の一つです。無症状で健康診断の尿検査で初めて指摘されることもあれば、浮腫や血圧上昇で気づかれることもあります。進行すると腎不全に至る可能性があるため、適切な治療が必要です。
中枢神経系が侵されると、頭痛、けいれん、精神症状(うつ、不安、幻覚など)が出現します。血液の異常として、白血球数の減少、血小板の減少、貧血などが見られます。血栓症を起こしやすくなる抗リン脂質抗体症候群を合併することもあります。
全身性強皮症は、皮膚が硬くなることが特徴です。手指から始まり、顔や体幹に広がります。レイノー現象(寒冷刺激や精神的ストレスで指先が白くなり、その後紫や赤に変化する)が初期症状として現れることが多いです。内臓では肺線維症や食道の運動障害などが起こります。
多発性筋炎や皮膚筋炎は、筋肉の炎症が主体の疾患です。筋力低下が進行し、階段を上る、椅子から立ち上がるといった動作が困難になります。皮膚筋炎では、まぶたの紫紅色の浮腫や手指関節背面の紅斑などの特徴的な皮膚症状が見られます。
まとめ
膠原病は、自己免疫の異常により全身にさまざまな症状が現れる疾患群です。若い女性に多く見られますが、年齢や性別を問わず発症する可能性があります。早期発見と適切な治療により、症状のコントロールが可能となり、通常の生活を送ることができます。原因不明の発熱や関節痛、皮膚症状が続く場合は、専門医を受診することが推奨されます。生活習慣の改善や感染予防、定期的な受診により、長期的に疾患を管理していくことが大切です。



