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「大腸カメラ検査にかかる費用」はいくら?検査後の注意点やポリープ切除方法も解説!

 公開日:2026/03/05

大腸カメラ検査の費用は保険適用の有無や検査内容によって大きく異なり、事前に目安を知っておくと経済的な準備がしやすくなります。また、検査当日の流れやポリープが見つかった場合の切除方法、術後の生活制限について理解しておくことで、落ち着いて検査に臨めるでしょう。本セクションでは、保険適用時と自費診療の費用目安、医療費控除の適用条件、検査当日の流れ、ポリープ切除の方法と術後の注意事項まで、検査から回復までの全体像を詳しく解説します。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

大腸カメラ検査にかかる費用の目安

大腸カメラ検査の費用は、保険適用の有無や検査内容によって大きく異なります。事前に費用の目安を知っておくことで、経済的な準備がしやすくなります。

保険適用時の自己負担額

健康保険が適用される大腸カメラ検査では、3割負担の方で約5,000円〜7,000円程度が一般的な費用です。これは観察のみの検査(生検なし)の場合であり、組織を採取する生検を行った場合は8,000円〜10,000円程度になります。生検とは、異常が疑われる部分の組織を少量採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査です。
さらにポリープ切除は『手術』扱いとなるため、加入している生命保険の手術給付金の対象になる場合がある。ポリープの大きさや数、切除方法の難易度によって費用は変動します。複数のポリープを切除した場合や、高度な技術を要する切除を行った場合は、より高額になる可能性があります。
検査前の診察料や血液検査、心電図などの費用も別途かかることがあり、初診の場合は追加で2,000円〜3,000円程度必要になるでしょう。1割負担の高齢者の方や、2割負担の方では、それぞれ負担割合に応じて費用が変動します。高額療養費制度の対象となる場合もあるため、詳しくは医療機関や保険者にご確認ください。

自費診療の場合の費用

人間ドックや健康診断の一環として大腸カメラ検査を受ける場合は、自費診療となり全額自己負担です。この場合の費用は医療機関によって幅がありますが、観察のみで20,000円〜40,000円程度、生検を含む場合は30,000円〜50,000円程度が目安となります。
自費診療では、鎮静剤(麻酔)の使用料が別途かかることもあり、5,000円〜10,000円程度追加される場合があります。鎮静剤を使用すると、検査中の不快感や痛みを軽減でき、よりリラックスした状態で検査を受けられます。また、医療機関によっては検査後の説明や画像提供にも料金が設定されていることがあるため、事前に確認しておくことが重要です。
自費診療の利点としては、症状がなくても希望すれば検査を受けられる点が挙げられます。大腸がんの早期発見のためには、定期的な検査が重要です。特に家族歴がある方や、40歳以上の方は、定期的な検査を検討することが推奨されます。費用面が気になる方は、自治体が実施する大腸がん検診を利用する方法もあります。

費用に影響する要因と医療費控除

大腸カメラ検査の費用は、さまざまな要因によって変動します。また、医療費控除の対象になる場合もあるため、制度を理解しておくことが有益です。適切に制度を活用することで、経済的負担を軽減できる可能性があります。

費用を左右する要素

大腸カメラ検査の費用に影響を与える主な要因として、検査方法の違いがあります。通常の大腸カメラと比べて、鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査では追加費用が発生します。鎮静剤の使用により、検査中の不快感が軽減され、医師もより丁寧に観察できるというメリットがあります。
また、使用する内視鏡の種類(通常の内視鏡か、拡大内視鏡か、特殊光観察が可能な内視鏡か)によっても費用が異なる場合があります。特殊光観察とは、通常の白色光に加えて、特殊な波長の光を使用することで、微細な病変を発見しやすくする技術です。より高度な技術を用いた検査では、費用が高くなる傾向にあります。
医療機関の規模や地域によっても料金設定に差が見られ、大学病院や総合病院では初診時に選定療養費が加算されることもあります。選定療養費は、紹介状なしで大病院を受診した場合に徴収される費用です。検査当日に想定外のポリープが見つかり切除した場合、事前に説明された金額よりも高額になる可能性があるため、検査前の説明をよく聞いておくことが大切です。

医療費控除の適用について

大腸カメラ検査が医療費控除の対象になるかどうかは、検査の目的によって判断されます。医師の診断に基づき、症状があって検査を受けた場合や、疾患の経過観察として行われた場合は、医療費控除の対象となります。例えば、腹痛や血便などの症状があり、医師の判断で大腸カメラ検査が必要と判断された場合は、控除対象です。
一方で、症状のない状態で任意に受けた健康診断や人間ドックとしての検査は、原則として控除対象外です。ただし、検査の結果、疾患が発見され治療を行った場合は、検査費用も含めて控除対象となります。この場合、検査は疾患の発見につながった必要な医療行為と見なされるためです。
医療費控除を受けるには、年間の医療費が10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%)を超える必要があり、確定申告時に領収書を提出します。検査後は必ず領収書を保管しておきましょう。医療費控除の対象となるかどうか判断に迷う場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。

大腸カメラ検査の当日の流れ

検査当日は、受付から検査終了まで一連の流れがあります。事前に流れを把握しておくことで、落ち着いて検査に臨めるでしょう。

受付から検査開始まで

検査当日は、予約時間の30分〜1時間前に来院することが一般的です。受付を済ませた後、問診票の記入や最終的な体調確認が行われます。下剤の服用状況や排便の状態について看護師や医師から質問されますので、正直に答えてください。便の性状が不十分な場合は、追加の下剤を服用することもあります。
その後、検査着に着替え、検査室の前で待機します。検査着は上下が分かれたタイプや、ガウンタイプなど、医療機関によって異なります。鎮静剤を使用する場合は、点滴ルートを確保するための静脈留置針を挿入します。貴重品はロッカーに預け、検査室には何も持ち込まないのが原則です。
検査前には不安を軽減するための説明が行われ、疑問点があれば遠慮なく質問できます。検査の流れや所要時間、起こりうる合併症などについて説明を受け、同意書にサインします。緊張している場合は、深呼吸をしてリラックスするよう心がけてください。

検査中の様子と所要時間

検査室に入ると、検査台の上で左側を下にした横向きの姿勢をとります。この姿勢が大腸の解剖学的構造に適しており、内視鏡を挿入しやすいためです。鎮静剤を使用する場合は、点滴から薬剤が投与され、リラックスした状態になります。意識が薄れ、眠っているような状態になることもあります。
その後、肛門から内視鏡が挿入され、大腸内の観察が始まります。検査中は適宜空気や水が注入されるため、お腹の張りを感じることがあります。この張りは、大腸を広げて粘膜を観察しやすくするために必要なものです。医師は慎重に内視鏡を進めながら、大腸の粘膜を詳細に観察します。
異常が見つかった場合は、その場で組織を採取したり、ポリープを切除したりすることがあります。観察のみの場合、所要時間は15〜30分程度ですが、ポリープ切除を行う場合は30分〜1時間程度かかることもあります。検査中の痛みや不快感は個人差がありますが、鎮静剤を使用した場合はほとんど記憶に残らないこともあります。医師は患者さんの状態を確認しながら、安全に配慮して検査を進めます。

検査後の注意事項と結果説明

検査が終了した後も、いくつかの注意点があります。また、結果の説明を受け、今後の方針を確認することが重要です。検査後の過ごし方によって、回復の速さや合併症のリスクが変わることもあります。

検査直後の過ごし方

検査終了後は、リカバリールームで安静にします。鎮静剤を使用した場合は、薬剤の効果が切れるまで30分〜1時間程度休憩が必要です。この間、血圧や脈拍などのバイタルサインが測定され、体調の回復を確認します。意識がはっきりするまで、無理に動かないことが大切です。
検査中に注入された空気によってお腹の張りを感じることがありますが、時間とともに自然に排出されます。ガスを出すことをためらう必要はありません。意識がはっきりしてきたら、着替えを済ませて待合室に移動します。
鎮静剤を使用した場合、当日の車の運転は禁止されており、公共交通機関を利用するか、家族に送迎を依頼する必要があります。鎮静剤の効果は完全には切れていない場合があり、判断力や反応速度が低下している可能性があるためです。

結果説明と今後の対応

検査結果の説明は、当日中に行われることがほとんどです。医師から、観察された大腸の状態や、異常の有無について説明を受けます。検査中に撮影された画像を見ながら、詳しい説明を受けることができます。ポリープを切除した場合や組織を採取した場合は、病理検査の結果が出るまで1〜2週間程度かかります。
その場合は後日、再度来院して詳細な結果説明を受けることになります。病理検査では、採取した組織を顕微鏡で観察し、良性か悪性か、どのような種類の病変かを詳しく調べます。結果説明の日程は、検査当日に予約しておくことが一般的です。
異常が見つからなかった場合でも、大腸がんのリスク要因や生活習慣について指導を受けることがあります。次回の検査時期についても説明されますので、メモを取っておくとよいでしょう。一般的には、異常がなければ3〜5年後の検査が推奨されますが、リスク要因によって間隔は異なります。
検査後の食事は、ポリープ切除を行わなかった場合は通常通り摂取できますが、切除した場合は医師の指示に従います。通常、消化の良い食事から始め、徐々に通常の食事に戻していきます。

大腸ポリープ切除の方法

大腸カメラ検査中にポリープが見つかった場合、その場で切除することが可能です。切除方法にはいくつかの種類があり、ポリープの大きさや形状、存在部位によって適切な方法が選択されます。

内視鏡的ポリープ切除術の種類

小さなポリープ(10mm未満)で悪性が疑われない病変」にはコールドポリペクトミーと呼ばれる方法が用いられます。コールドポリペクトミーは電気を使わずにポリープを切除する方法で、出血や穿孔(腸に穴が開くこと)のリスクが低いとされています。小さなポリープに対しては、比較的安全で迅速に行える方法です。
10〜20mm程度のポリープや有茎性のポリープに対しては、スネアと呼ばれるワイヤー状の器具でポリープの根元を絞めて切除する、内視鏡的ポリペクトミーが一般的です。スネアをポリープの茎にかけ、電気メスで焼き切る方法で、多くのポリープに適用できます。
さらに大きなポリープや広範囲に広がる平坦なポリープには、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)と呼ばれる高度な技術が必要となります。EMRは粘膜を持ち上げてから切除する方法で、ESDはより広範囲の病変を一括で切除できる技術です。これらの高度な技術は、専門的な訓練を受けた医師によって行われます。

切除後の処置と合併症

ポリープを切除した部位には、クリップで縫合したり、止血処置を行ったりすることがあります。切除部位から出血するリスクを低減するため、予防的に止血処置を施す場合があります。切除後数日間は、出血や穿孔といった合併症が起こる可能性があるため、安静が必要です。
後出血(切除後の出血)は、術後1週間程度は起こる可能性があり、激しい運動や重いものを持つことは避けなければなりません。また、飲酒や刺激物の摂取も控えるよう指示されます。これらの行動は、切除部位の出血リスクを高める可能性があるためです。
出血は切除当日から数日後に起こることがあり、血便や黒色便が見られた場合はすぐに医療機関に連絡してください。多量の出血が起こった場合は、緊急で内視鏡による止血処置が必要になることもあります。穿孔は稀な合併症ですが、激しい腹痛や発熱が現れた場合も緊急の対応が必要です。穿孔が起こると、腹膜炎などの重篤な状態になる可能性があるため、早急な処置が求められます。

ポリープ切除後の生活と経過観察

ポリープ切除後は、一定期間の生活制限があります。また、切除したポリープの病理結果によって、今後の経過観察方針が決まります。適切な経過観察を行うことで、大腸がんの予防につながります。

切除後の食事と日常生活の制限

ポリープ切除後の食事は、当日は消化の良い軟らかいものから始めます。おかゆやうどん、スープなどが推奨され、徐々に通常の食事に戻していきます。胃腸に負担をかけず、切除部位の治癒を促すためです。アルコールは少なくとも1週間は控え、辛い食べ物や刺激の強い食品も避けるべきです。
また、食物繊維の多い食品も腸に負担をかける可能性があるため、数日間は控えめにします。日常生活では、切除後1週間程度は激しい運動や重労働を避け、安静を心がけます。ウォーキングなど軽い運動は問題ありませんが、ジョギングや筋力トレーニング、重いものを持つ作業などは控えてください。
旅行や出張など遠出の予定がある場合は、切除後2週間以降に設定することが望ましいでしょう。万が一、出血などの合併症が起こった場合に、すぐに医療機関を受診できる環境にいることが重要です。入浴は当日はシャワーのみとし、翌日以降は通常通り入浴できます。便秘にならないよう水分をしっかり摂取し、規則正しい生活リズムを保つことも大切です。

病理結果に基づく今後の方針

切除したポリープは病理検査に提出され、良性か悪性か、またポリープの種類が詳しく調べられます。腺腫性ポリープの場合、大腸がんに進行する可能性があるため、定期的な経過観察が必要です。一般的には、腺腫が見つかった場合、1〜3年後に再度大腸カメラ検査を受けることが推奨されます。
切除断端に腫瘍細胞が残っている場合や、悪性度の高い病変の場合は、より短い間隔での検査や追加治療が必要になることもあります。病理結果によっては、数ヶ月後に再度検査を行い、完全に切除されているか確認することがあります。
一方、過形成性ポリープや炎症性ポリープなど良性度の高いポリープであれば、経過観察の間隔は長くなることがあります。これらのポリープは、がん化のリスクが低いとされています。医師から説明される今後の方針をしっかり理解し、指示された時期に確実に検査を受けることが、大腸がんの予防につながります。
定期的な経過観察を継続することで、新たなポリープが発生しても早期に発見し、切除することができます。大腸がんの多くは腺腫性ポリープから発生するため、ポリープの段階で切除することが最も効果的な予防法といえます。

まとめ

大腸カメラ検査は、大腸がんの早期発見や予防に極めて有効な検査です。下剤の服用や食事制限など事前準備には手間がかかりますが、医療機関の指示に従って適切に準備することで、精度の高い検査が可能になります。準備期間中は、体調管理に注意し、無理をせず過ごすことが大切です。

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