【医師監修】『ノロウイルス』の初期症状は? 嘔吐・下痢の特徴と潜伏期間を解説

ノロウイルス感染症の初期症状は突発的に現れることが多く、感染後24時間〜48時間の潜伏期間を経て発症します。主な症状は嘔吐、下痢、腹痛、発熱などですが、個人差があり、すべての症状が現れるとは限りません。突然訪れる吐き気や激しい嘔吐、水様性の下痢といった消化器症状が中心となります。症状の現れ方や程度を知ることで、早期発見と適切な対応につなげることができるでしょう。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
ノロウイルスの初期症状とその特徴
ノロウイルス感染症の初期症状は突発的に現れることが多く、感染後24時間〜48時間の潜伏期間を経て発症します。主な症状は嘔吐、下痢、腹痛、発熱などですが、個人差があり、すべての症状が現れるとは限りません。
突然始まる吐き気と嘔吐
ノロウイルス感染症でもっとも特徴的な初期症状は、前触れなく訪れる強い吐き気と嘔吐です。多くの方が「突然気持ちが悪くなった」と表現されるように、わずか数分の間に吐き気が急激に強まり、嘔吐に至ります。嘔吐は1日に数回〜10回以上繰り返されることもあり、食事をしていなくても胃液や胆汁を吐くことがあります。
この嘔吐の特徴は、その激しさと突発性にあります。前兆として軽い胃の不快感を感じる方もいますが、多くの場合は予告なく始まるため、外出先や就寝中に症状が現れることも少なくありません。嘔吐物には大量のウイルスが含まれているため、適切な処理をしないと周囲への感染源となってしまいます。
小さなお子さんの場合、吐き気をうまく言葉で伝えられないことがあります。顔色が悪くなる、急に不機嫌になる、食欲がなくなるといった様子が見られたら、嘔吐の前兆かもしれません。保護者の方は普段と異なる様子に注意を払い、早めに受診の準備をすることが大切です。ただし、すべてのお子さんが同じ経過をたどるわけではなく、症状の程度には個人差があります。
下痢と腹痛を伴う消化器症状
嘔吐とともに、あるいはやや遅れて下痢の症状が現れます。ノロウイルスによる下痢は水様性で、1日に何度もトイレに駆け込むような状態になることがあります。腹痛は下腹部を中心に、キリキリとした痛みや重苦しい鈍痛として感じられます。
下痢の回数は個人差が大きく、軽症の方では数回程度、重症の場合は10回以上に及ぶこともあります。便の性状は水っぽく、色は黄色から茶色、時に緑がかったものまでさまざまです。血液が混じることは通常ありませんが、激しい下痢により肛門周囲がただれることがあります。
腹痛は断続的に襲ってくることが多く、排便後に一時的に軽減しますが、しばらくするとまた痛みが戻ってきます。痛みの程度も個人差があり、軽い違和感程度の方から、身体を丸めてしまうほどの強い痛みを訴える方までいらっしゃいます。脱水症状を防ぐため、少量ずつでも水分補給を続けることが重要です。ただし、嘔吐が激しく水分摂取が困難な場合は、医療機関での点滴治療が必要になることもあります。
まとめ
ノロウイルス感染症は、突然の嘔吐と下痢を主症状とする感染性胃腸炎で、24時間から48時間の潜伏期間を経て発症します。二枚貝を介した食品感染と、人から人への二次感染という二つの経路で広がりやすく、特に冬季に流行します。初期症状を早期に認識し、適切な水分補給と安静を保つことが回復への第一歩です。
ノロウイルスの予防には、手洗いの徹底、食品の十分な加熱、調理器具の衛生管理が基本となります。生の二枚貝を食べる際はリスクを理解し、体調や免疫状態を考慮した判断が必要です。感染力が強いウイルスですが、正しい知識と予防対策で、ご自身と大切な方々を守ることができます。