「鍋」は”健康的でヘルシー”なのか?低カロリーになる要因と健康効果を解説!【管理栄養士監修】

鍋料理は油をほとんど使わない調理法のため、カロリーを抑えやすい料理といわれています。煮る調理法は揚げ物や炒め物と異なり、油脂類を加える必要がありません。また、水分量が多いため胃を満たしやすく、満腹感を得ながらも摂取カロリーを抑えられる特徴があります。温かいスープは体温を上昇させ、代謝を促進する効果も期待できるでしょう。本記事では、鍋料理が低カロリーになりやすい理由と、健康効果について解説します。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
目次 -INDEX-
鍋料理が低カロリーになりやすい理由
鍋料理は調理法の特性上、低カロリーに抑えやすい料理といわれています。油をほとんど使わずに調理でき、水分量が多いため満腹感を得やすいことが理由の一つです。
油を使わない調理法のメリット
鍋料理は基本的に煮る調理法であり、揚げ物や炒め物のように油を加える必要がありません。油脂類は1gあたり約9kcalと高エネルギーのため、これを使わないだけでカロリーを大幅に削減できます。スープのベースとなるだしも、昆布や鰹節、鶏ガラなどから取った場合、それ自体のカロリーは低いものです。
油を使わないことで、消化器官への負担も軽減される傾向があります。胃腸が弱い方や、脂質の摂取を控えたい方にとって、鍋料理は適した選択肢となるでしょう。ただし、ごま油やラー油などを後から加える場合は、その分のカロリーが追加されることを念頭に置く必要があります。
煮る調理法は加熱温度が比較的低く、食材の栄養素が熱によって分解される程度も抑えられます。特に水溶性ビタミンの一部はスープに溶け出すため、スープを適量飲むことで栄養素を無駄なく摂取できる点も利点といえます。
水分量が多く満腹感を得やすい特徴
鍋料理は汁物としての性質を持つため、水分を多く含みます。水分は体積が大きい割にカロリーがゼロであり、胃を満たして満腹中枢を刺激しやすい特徴があります。野菜も煮ることでかさが減り、生のまま食べるよりも多くの量を摂取できます。
スープを飲むことで体温が上昇し、代謝が促進される効果も期待できます。温かい食事はゆっくりと食べる傾向があり、早食いを防いで食べ過ぎを抑制する働きもあるでしょう。食事の満足度を高めながらカロリーを抑えられる点は、鍋料理の大きな魅力といえます。
水分を多く摂取することは、冬場の乾燥対策としても有効です。体内の水分バランスが整うことで、血液の粘度が適正に保たれ、循環機能の維持に寄与します。ただし、スープの塩分濃度が高い場合は、水分とともにナトリウムを過剰摂取する可能性があるため、だしの取り方や調味料の量に配慮することが望ましいでしょう。
鍋料理がもたらす健康効果とは
鍋料理は単にカロリーを抑えられるだけでなく、さまざまな健康効果が期待できる料理です。複数の食材を組み合わせることで、ビタミンやミネラル、タンパク質、食物繊維など、体に必要な栄養素をバランスよく摂取できます。
多様な栄養素を一度に摂取できる利点
鍋料理の大きな特徴は、肉や魚、野菜、きのこ、豆腐など、異なる食品群を一つの料理で摂取できる点です。タンパク質は筋肉や臓器、皮膚などの材料となり、免疫機能を支える重要な栄養素です。鶏肉や豚肉、魚、豆腐などから良質なタンパク質を摂取できます。
野菜類はビタミンCやビタミンA、カリウム、食物繊維を豊富に含み、身体の調子を整える働きがあります。白菜やほうれん草、春菊などの葉物野菜、にんじんやごぼうなどの根菜類を組み合わせることで、幅広い栄養素を取り入れられます。きのこ類は食物繊維に加え、ビタミンDやβ-グルカンなどの成分を含み、免疫機能のサポートに寄与するといわれています。
海藻類を加えることで、ヨウ素や鉄分、カルシウムなどのミネラルも補給できます。こうした多彩な食材を組み合わせることで、栄養の偏りを防ぎやすくなります。
体を温めて免疫機能を支える働き
温かい鍋料理は体温を上昇させ、血行を促進する効果があります。体温が適正に保たれることで免疫機能が活性化するといわれており、冬場の健康管理の一環として、感染症に負けない体づくりをサポートしてくれるでしょう。冬場は外気温の低下により身体が冷えやすく、免疫力が低下しやすい時期です。
鍋料理に含まれる野菜や香味野菜(ねぎ、しょうが、にんにくなど)には、身体を温める成分が含まれています。しょうがに含まれるジンゲロールやショウガオールは、血流を改善し体温を保つ働きがあるとされています。キムチ鍋に使われる唐辛子のカプサイシンも、発汗を促して代謝を高める効果が期待できます。
発汗を促すことで代謝を整え、気分をリフレッシュさせる効果が期待できます。ただし、発汗しすぎると水分とミネラルが失われるため、適度な水分補給が必要です。
鍋料理が消化器系に与える影響
水炊きなどの脂質や刺激物が少ない鍋料理は胃腸への負担が少なく、消化しやすい料理とされています。煮込むことで食材が柔らかくなり、消化酵素が働きやすくなるためです。
煮込むことで食材が柔らかくなる効果
加熱によって食材の繊維が柔らかくなり、噛み切りやすく飲み込みやすくなります。野菜の細胞壁が壊れることで、栄養素が溶け出しやすくなり、体内での吸収効率が高まる場合もあります。特に高齢の方や小さなお子さんにとって、柔らかく煮込んだ食材は食べやすく、栄養補給に適しています。
タンパク質も加熱によって変性し、消化酵素が作用しやすくなります。生の状態よりも消化に要する時間が短くなり、胃腸への負担が軽減される傾向があります。ただし、煮込みすぎるとビタミンCなど熱に弱い栄養素が失われることがあるため、適度な加熱時間を心がけるとよいでしょう。
体調がすぐれないときや、胃腸が弱っているときには、消化しやすい食事が求められます。鍋料理は食材の柔らかさを調整しやすく、個々の体調に合わせて調理できる点も利点です。食物繊維が多い野菜も、煮込むことで消化管への刺激が和らぎ、腸内環境の改善に寄与する可能性があります。
胃腸に優しい水分補給の役割
鍋のスープは水分補給の手段としても有効です。冬場は空気が乾燥し、知らず知らずのうちに体内の水分が失われやすくなります。水分不足は便秘や血液の粘度上昇を招き、健康に悪影響を及ぼすことがあります。
スープを飲むことで、水分と同時にミネラルやアミノ酸などの栄養素も摂取できます。ただし、塩分濃度が高いスープを大量に飲むと、ナトリウムの過剰摂取につながる可能性があるため注意が必要です。適量を心がけ、野菜や豆腐などの具材と一緒にバランスよく摂取することが推奨されます。
まとめ
鍋料理は、カロリーを抑えながら栄養バランスの取れた食事を楽しめる優れた料理です。スープの種類や具材の選び方次第で、健康効果を高めることができます。冬に身体を温め、免疫力を高める効果も期待できるため、寒い季節には積極的に取り入れたい料理といえるでしょう。
家族や友人と温かい鍋を囲むことは、栄養補給だけでなく、心の健康にも良い影響を与えます。会話を楽しみながらゆっくりと食事をすることで、リラックス効果が得られ、日々のストレス軽減にもつながるでしょう。冬の健康維持に、鍋料理を上手に活用してください。
参考文献