「正しく怖がる」ための知恵。『エボラ出血熱』の感染を防ぐ“手洗いと距離感”の基本

エボラ出血熱の予防には、特別な知識よりも感染経路を遮断する基本的な行動が重要です。手洗いや接触回避など、日常生活で実践できる対策を徹底することで感染リスクを下げられます。個人と医療現場、それぞれの視点から予防策を整理します。

監修医師:
吉野 友祐(医師)
日常生活における感染予防の実際
エボラ出血熱の感染を防ぐためには、感染経路を遮断する具体的な対策を日常的に実践することが必要です。流行地域では特に注意深い行動が求められます。
個人レベルでの予防行動
基本的な予防策として、感染者や感染が疑われる方との直接接触を避けることが挙げられます。流行地域では、発熱や身体の不調を訴える方に不用意に近づかないよう注意が必要です。手洗いは感染予防の基本中の基本であり、石鹸と流水で頻繁に手を洗うことが推奨されます。アルコール系の手指消毒剤も有効です。
顔、特に目、鼻、口を洗っていない手で触らないことも重要です。野生動物(コウモリや霊長類など)への接触や、それらの肉を生で食べることは避けるべきです。エボラウイルスは動物から人へ感染することがあり、特にアフリカ地域では野生動物が感染源となるケースが報告されています。医療機関を受診する際は、渡航歴や接触歴を正確に伝え、必要に応じて隔離措置に協力することが大切です。
医療現場における感染制御
医療機関では、標準予防策に加えて接触予防策と飛沫予防策を徹底することが求められます。医療従事者は、ガウン、手袋、マスク、ゴーグルまたはフェイスシールドなどの個人防護具を正しく着用する必要があります。特に体液に触れる可能性がある処置では、二重手袋の使用や防水性のエプロンの着用が推奨されます。
使用した防護具は、適切な手順で脱衣し、医療廃棄物として処理します。患者さんは個室に隔離し、専用のトイレや医療器具を使用します。環境の清掃と消毒は、次亜塩素酸ナトリウムなどの適切な消毒薬を用いて定期的に行います。医療従事者自身の健康管理も重要で、発熱などの症状が現れた場合は速やかに報告し、適切な検査と対応を受ける体制が整備されています。
まとめ
日本に住む私たちにとって、エボラ出血熱は直接的な脅威ではありませんが、グローバル化が進む現代において無関係ではありません。流行地域への渡航を予定されている方は、現地の情報を確認し、適切な予防行動を取ることが大切です。帰国後に発熱などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関に連絡し、渡航歴を伝えましょう。正確な情報に基づいた冷静な対応が、自分自身と周囲の方々の健康を守ることにつながります。