「エボラ出血熱」の初期症状はご存じですか? 『潜伏期間と発症までの経過』も解説

エボラ出血熱は、発症初期にはインフルエンザやマラリアと似た症状が現れるため、見逃されやすい感染症です。しかし、時間の経過とともに症状は急速に進行し、重篤化するリスクが高まります。初期症状の特徴や進行の流れを正しく理解することで、早期受診や適切な対応につなげることが可能になります。

監修医師:
吉野 友祐(医師)
エボラ出血熱の初期症状と進行パターン
エボラ出血熱の症状は段階的に進行し、初期段階では他の感染症と区別がつきにくいことが特徴です。早期発見と適切な対応のためには、症状の変化を時系列で理解することが求められます。
潜伏期間と発症までの経過
エボラウイルスに感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は、通常2日から21日程度とされています。平均的には8日から10日程度で発症することが多く、この期間は個人差が大きいことが知られています。潜伏期間中は症状がないため、感染に気づかないまま日常生活を送ることになります。
重要な点として、潜伏期間中は他者への感染力がないと考えられていますが、症状が出始めた時点から感染力を持つようになります。このため、流行地域への渡航歴がある方は、帰国後3週間程度は身体の変化に注意を払う必要があります。発熱などの症状が出た場合は、速やかに医療機関に連絡し、渡航歴を伝えることが大切です。
発症直後に見られる主な症状
エボラ出血熱の初期症状は、突然の高熱から始まることが一般的です。体温は38度以上に上昇し、しばしば39度から40度に達します。発熱とともに、激しい頭痛や全身の倦怠感、筋肉痛や関節痛が現れます。これらの症状はインフルエンザやマラリアなどの他の感染症と類似しているため、初期症状はインフルエンザ等と酷似しているため、『症状そのもの』よりも『流行地への滞在歴』や『患者との接触歴』の有無が診断の決定手掛かりとなります。
また、喉の痛みや咳といった呼吸器症状が出ることもあります。発症から数日経過すると、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状が加わります。この段階で患者さんは急速に体力を消耗し、脱水症状も進行します。目の充血や発疹が現れる場合もあり、全身状態は日を追うごとに悪化していきます。ただし、症状の現れ方や進行速度には個人差があり、すべての方に同じ経過をたどるわけではありません。
まとめ
日本に住む私たちにとって、エボラ出血熱は直接的な脅威ではありませんが、グローバル化が進む現代において無関係ではありません。流行地域への渡航を予定されている方は、現地の情報を確認し、適切な予防行動を取ることが大切です。帰国後に発熱などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関に連絡し、渡航歴を伝えましょう。正確な情報に基づいた冷静な対応が、自分自身と周囲の方々の健康を守ることにつながります。