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若年性アルツハイマー型認知症、診断の決め手は「何」?問診や検査で確認する重要ポイント

 公開日:2026/02/17
若年性アルツハイマー型認知症、診断の決め手は「何」?問診や検査で確認する重要ポイント

若年性アルツハイマー型認知症の診断では、症状が似ているほかの疾患との鑑別が特に重要となります。専門の医師による詳細な問診と各種検査を経て、慎重に診断が進められます。診断に至るまでの流れと、鑑別すべき疾患について詳しく説明します。

田頭 秀悟

監修医師
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)

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鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。

若年性アルツハイマー型認知症の診断プロセス

正確な診断には、複数の専門の医師による多角的な評価が必要です。診断に至るまでのプロセスと、ほかの疾患との鑑別について理解することが重要です。

専門の医師による総合的評価

診断プロセスは詳細な問診から始まります。医師は本人や家族から、症状が始まった時期、進行の様子、日常生活での困りごと、既往歴、家族歴などを詳しく聞き取ります。若年性の場合、職場での変化や家族関係への影響なども重要な情報となります。
身体診察では、神経学的所見を確認します。歩行障害、筋力低下、感覚障害の有無などを調べ、ほかの神経疾患の可能性を検討します。認知機能検査、画像検査、血液検査の結果を総合的に評価し、診断基準に照らして判断します。
診断基準としては、国際的に広く用いられているDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)やICD-11(国際疾病分類第11版)があります。これらの基準では、複数の認知領域での機能低下、日常生活への支障、せん妄やほかの精神疾患では説明できないことなどが確認されます。

鑑別診断とほかの疾患の除外

若年性アルツハイマー型認知症の診断では、ほかの疾患との鑑別が特に重要です。前頭側頭型認知症は、人格変化や社会性の低下が前面に出る疾患で、若年発症が多い認知症です。行動の脱抑制や言語障害が特徴的で、MRIでは前頭葉や側頭葉前方の萎縮が見られます。
レビー小体型認知症では、認知機能の変動、幻視、パーキンソン症状などが特徴です。血管性認知症は脳梗塞や脳出血が原因で、階段状に症状が進行することが多く、画像で血管障害の所見が確認されます。
うつ病による認知機能低下(仮性認知症)も重要な鑑別対象です。特に若年者では、うつ症状に伴う集中力低下や記憶障害が認知症と間違われることがあります。そのほか、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症など、治療可能な疾患を見逃さないことが重要です。これらの鑑別を通じて、若年性アルツハイマー型認知症の診断に至ります。

まとめ

若年性アルツハイマー型認知症は、65歳未満で発症する進行性の神経変性疾患です。初期症状には記憶障害、見当識障害、判断力の低下などがあり、日常生活や仕事に支障をきたします。原因は脳内でのアミロイドβとタウタンパク質の蓄積であり、遺伝的要因や生活習慣病が危険因子となります。
診断には認知機能検査と画像検査を組み合わせた総合的評価が必要で、治療は薬物療法と非薬物療法を併用します。薬物療法では、コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬により症状の進行を遅らせることが期待されます。非薬物療法では、認知リハビリテーションや運動療法、環境調整などにより生活の質の維持を目指します。
早期発見と適切な治療、社会資源の活用により、本人と家族の生活の質を維持することが可能です。介護保険サービス、障害者手帳、障害年金などの制度を活用し、若年性認知症支援コーディネーターや地域包括支援センターなどの相談窓口を利用することで、必要な支援を受けられます。気になる症状がある場合は、早めに専門の医療機関を受診することが大切です。

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