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若年性アルツハイマー型認知症の初期に見られる変化とは?記憶障害が生活に与える影響を解説

 公開日:2026/02/10
若年性アルツハイマー型認知症の初期に見られる変化とは?記憶障害が生活に与える影響を解説

若年性アルツハイマー型認知症の初期段階で現れる症状は、単なる疲れや体調不良と見過ごされがちです。しかし、記憶障害や時間感覚の混乱など、日常生活に支障をきたすレベルの変化が徐々に現れます。早期発見のためには、どのような症状に注意すべきかを知ることが大切です。ここでは初期に見られる代表的な症状について詳しく解説します。

田頭 秀悟

監修医師
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)

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鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。

若年性アルツハイマー型認知症の初期症状とは

初期段階では、日常生活の中で少しずつ症状が現れます。通常の加齢による物忘れとは異なり、仕事や家事に支障をきたすレベルの記憶障害が特徴です。

記憶障害と日常生活への影響

若年性アルツハイマー型認知症における記憶障害は、単なる物忘れとは質が異なります。新しい情報を覚えることが困難になり、数分前の出来事や会話の内容を思い出せなくなります。たとえば、同じ質問を繰り返す、約束を忘れる、物をどこに置いたか思い出せないといった症状が頻繁に起こるようになります。
仕事面では、これまでスムーズにできていた業務に時間がかかるようになったり、手順を忘れてミスが増えたりします。家事においても、料理の段取りがわからなくなる、買い物で同じものを何度も購入してしまうなどの変化が見られます。これらの症状は徐々に進行し、本人も周囲も「調子が悪い」「疲れているのかもしれない」と軽く考えてしまいがちです。
重要なのは、こうした記憶の問題が日常生活に実際の支障をきたしている点です。単に「名前が出てこない」程度ではなく、生活の質や仕事のパフォーマンスに明らかな低下が見られる場合は、専門の医療機関での相談が必要といえるでしょう。

時間や場所などに対する認識のしにくさ

見当識(けんとうしき)障害という時間や場所、人物に関する認識が曖昧になる症状があります。若年性アルツハイマー型認知症では、初期段階から時間の見当識障害が現れることがあります。今日が何月何日なのか、今が午前なのか午後なのかといった時間感覚が失われていきます。
具体的には、曜日の感覚がなくなり平日と休日を混同する、季節に合わない服装をする、予定の時間を大幅に間違えるなどの行動が見られます。さらに進行すると、慣れ親しんだ場所でも道に迷ったり、自宅のトイレの場所がわからなくなったりすることもあります。
人物の見当識障害は比較的後期に現れることが多いものの、初期でも知人の名前が出てこない、家族の顔を見ても誰だか一瞬わからないといった症状が起こることがあります。これらの症状は本人にとって大変不安を感じさせるものであり、周囲の適切な理解と支援が求められます。

まとめ

若年性アルツハイマー型認知症は、65歳未満で発症する進行性の神経変性疾患です。初期症状には記憶障害、見当識障害、判断力の低下などがあり、日常生活や仕事に支障をきたします。原因は脳内でのアミロイドβとタウタンパク質の蓄積であり、遺伝的要因や生活習慣病が危険因子となります。
診断には認知機能検査と画像検査を組み合わせた総合的評価が必要で、治療は薬物療法と非薬物療法を併用します。薬物療法では、コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬により症状の進行を遅らせることが期待されます。非薬物療法では、認知リハビリテーションや運動療法、環境調整などにより生活の質の維持を目指します。
早期発見と適切な治療、社会資源の活用により、本人と家族の生活の質を維持することが可能です。介護保険サービス、障害者手帳、障害年金などの制度を活用し、若年性認知症支援コーディネーターや地域包括支援センターなどの相談窓口を利用することで、必要な支援を受けられます。気になる症状がある場合は、早めに専門の医療機関を受診することが大切です。

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