「慢性リンパ性白血病の初期症状」はご存知ですか?【医師監修】

慢性リンパ性白血病の初期段階では、日常生活の中で気づきにくい軽微な変化が中心となります。リンパ節の腫れや原因不明の疲労感など、他の体調不良と区別しにくい症状が多いのが特徴です。ここでは、病気の兆候となり得る身体の変化について、具体的な特徴や見極めるポイントを詳しく説明します。

監修医師:
山本 佳奈(ナビタスクリニック)
慢性リンパ性白血病の初期に現れやすい症状
慢性リンパ性白血病の初期症状は非常に軽微で、日常生活の変化として見過ごされることが多いのが特徴です。ここでは、病気の兆候となり得る身体の変化について詳しく説明します。
リンパ節の腫れと特徴
慢性リンパ性白血病の代表的な症状の一つが、リンパ節の腫れです。首、わきの下、足の付け根などを触った際に、以前は感じられなかった小さなしこりに気づくことがあります。これらのリンパ節の腫れには、いくつかの特徴的な点があります。
まず、痛みを伴わないことが多いという点が挙げられます。感染症によるリンパ節の腫れは通常、圧痛があり、熱感や赤みを伴いますが、慢性リンパ性白血病によるリンパ節の腫れは、触れても痛みがなく、皮膚の色も正常なことが一般的です。このため、痛みがないからといって安心せず、継続的な観察が必要になります。
次に、複数の部位で同時に腫れが見られることがあります。首だけでなく、わきの下や鼠径部など、複数箇所のリンパ節が同時に腫れている場合は、全身性の病変を示唆する可能性があります。通常の感染症では一部のリンパ節のみが腫れることが多いため、この点が鑑別の手がかりとなります。
疲労感や倦怠感の出現
原因不明の疲労感や倦怠感が数週間以上続く場合、背景に何らかの疾患が隠れている可能性があります。これらの症状は、慢性リンパ性白血病に限らず多くの病気で見られるため、症状のみで判断することはできませんが、他の所見とあわせて医療機関での評価が勧められます。
日常生活において、以前と同じ活動をしているにもかかわらず、明らかに疲れやすくなったと感じる場合があります。階段の昇り降りや軽い運動で息切れを感じたり、十分な睡眠をとっているのに疲れが取れなかったりすることがあります。このような変化は加齢や生活習慣によるものと区別しにくいため、注意深い観察が必要です。
貧血が進行すると、疲労感に加えて、動悸や息切れ、めまい、顔色の悪さなどの症状が現れることがあります。異常なリンパ球が骨髄に蓄積すると、正常な赤血球の産生が妨げられ、貧血が生じます。貧血の程度は血液検査で評価できるため、気になる症状がある場合は医療機関を受診することが望ましいでしょう。
発熱や寝汗などの全身症状
慢性リンパ性白血病が進行すると、発熱や寝汗、6ヶ月以内に体重の10%以上が減少する症状が現れることがあります。これらは「B症状」と呼ばれ、原因不明の38℃以上の発熱が2週間以上続く場合、夜間に衣服が濡れるほどの寝汗、6ヶ月以内に体重の10%以上が減少することを指し、病気の進行度を評価する際の重要な指標となります。
原因不明の38度以上の発熱が2週間以上続く、明らかな感染症の兆候がない場合は注意が必要です。この発熱は数日から数週間続くことがあり、解熱剤で一時的に下がっても再び上がることがあります。感染症による発熱との区別は難しいため、医師による評価が必要です。
寝汗は、夜間に大量の汗をかいて衣服やシーツが濡れるほどの症状を指します。室温が適切であるにもかかわらず、このような寝汗が繰り返し起こる場合は、身体からのサインとして捉えることが大切です。ホルモンバランスの変化や更年期の症状とも似ているため、他の症状と合わせて総合的に判断する必要があります。
まとめ
慢性リンパ性白血病は、緩やかに進行する血液のがんであり、初期には症状が現れにくいことが特徴です。リンパ節の腫れや疲労感、微熱などの症状に気づいた際は、早めに医療機関を受診することが大切です。これらの症状は他の疾患でも見られるため、自己判断せず専門家の評価を受けることが重要です。
治療法は近年大きく進歩しており、分子標的薬により副作用を抑えながら効果的な治療が可能になっています。治療中は副作用への対策や感染症予防が重要であり、医療チームと密に連携することが推奨されます。治療後も定期的な経過観察を継続し、再発の兆候を早期に捉えることが大切です。
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、症状や治療方針には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず、必ず医療機関で医師にご相談ください。
参考文献