何をしすぎると前立腺から血が出る?男性特有の「血尿」の原因を解説【医師監修】

男性の血尿では前立腺に関連した疾患が原因となることがあり、加齢とともに発症リスクが高まります。前立腺は膀胱の下部に位置し、尿道を取り囲む臓器です。肥大や炎症により血管が傷つき、血尿が生じるメカニズムがあります。排尿障害や会陰部の違和感を伴うこともあり、生活の質に影響を及ぼします。ここでは前立腺肥大症と前立腺炎による血尿の特徴と治療について解説します。

監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
男性特有の血尿原因|前立腺肥大症と前立腺炎
男性の血尿では、前立腺に関連した疾患が原因となることがあります。前立腺は膀胱の下部に位置し、尿道を取り囲むように存在する臓器です。加齢とともに前立腺が肥大し、尿道を圧迫することで排尿障害や血尿が生じることがあります。
前立腺肥大症による血尿のメカニズム
前立腺肥大症は、加齢に伴い前立腺の内腺が増殖する疾患です。肥大した前立腺組織は血管が豊富であり、排尿時の圧力や尿流の刺激により血管が破綻し血尿が生じることがあります。特に抗凝固薬を服用している方では、出血傾向が高まり血尿が顕著になることがあります。
前立腺肥大症による血尿は、一過性であることもありますが、繰り返し出現する場合は治療が必要です。薬物療法ではα遮断薬や5α還元酵素阻害薬が用いられ、症状の改善とともに血尿の頻度も減少することが期待できます。薬物療法で効果が不十分な場合や尿閉を繰り返す場合は、経尿道的前立腺切除術などの手術療法が検討されます。
前立腺肥大症の診断には、直腸診や超音波検査、尿流測定、残尿測定などが行われます。また、PSA検査により前立腺がんとの鑑別も重要です。症状が軽度であれば経過観察も選択肢となりますが、血尿が持続する場合や生活の質が低下している場合は、積極的な治療が推奨されます。
前立腺炎と血尿の関連
前立腺炎は、細菌感染による急性前立腺炎と、非細菌性の慢性前立腺炎に分類されます。急性前立腺炎では、大腸菌などの細菌が尿道から前立腺に侵入し炎症を起こします。高熱や排尿時痛、会陰部痛が急激に出現し、血尿や膿尿を伴うことがあります。重症化すると敗血症に至ることもあるため、早期の抗菌薬投与が必要です。
慢性前立腺炎は、症状が軽度で長期間持続することが特徴です。排尿時の不快感や会陰部の違和感、射精時痛などが見られ、血尿が混じることもあります。細菌感染が原因でない場合も多く、骨盤底筋の緊張や自律神経の乱れが関与していると考えられています。治療には抗菌薬のほか、α遮断薬や鎮痛薬、漢方薬などが用いられます。
前立腺炎による血尿は、炎症が治まれば改善することが多いですが、再発を繰り返す場合は生活習慣の見直しやストレス管理も重要です。長時間の座位や冷え、アルコール摂取、辛い食べ物などが症状を悪化させることがあるため、適度な運動や温かい飲み物の摂取が推奨されます。
まとめ
血尿は、さまざまな原因により生じる重要なサインです。軽度の炎症から重大な疾患まで幅広い可能性があるため、血尿を自覚した際は自己判断で放置せず、速やかに医療機関を受診することが大切です。男性では前立腺肥大症や膀胱がん、女性では膀胱炎や腎盂腎炎が頻度の高い原因であり、年齢や性別、随伴症状によって鑑別すべき疾患が異なります。
尿の色調や排尿時の症状を観察し、医師に正確に伝えることで、適切な診断と治療につながります。鮮やかな赤色の血尿は膀胱や尿道からの出血を示唆し、暗赤色や茶褐色の血尿は腎臓や尿管からの出血を示唆することが多いです。また、痛みや発熱、頻尿などの随伴症状も重要な情報となります。
早期発見により治療選択肢が広がり、予後の改善が期待できるため、血尿を軽視せず専門医に相談しましょう。特に40歳以上で肉眼的血尿が出現した場合は、悪性腫瘍の可能性を念頭に置いた精密検査が推奨されます。健康診断で顕微鏡的血尿を指摘された場合も、放置せず医師に相談し、必要に応じて精密検査を受けることが重要です。適切な対応により、安心して日常生活を送ることができます。