”何色の尿”が出たら「腎がん」の前兆?男性が注意したい血尿や腰痛を解説!

男性の血尿では前立腺に関連した疾患が原因となることがあり、加齢とともに発症リスクが高まります。前立腺は膀胱の下部に位置し、尿道を取り囲む臓器です。肥大や炎症により血管が傷つき、血尿が生じるメカニズムがあります。排尿障害や会陰部の違和感を伴うこともあり、生活の質に影響を及ぼします。ここでは前立腺肥大症と前立腺炎による血尿の特徴と治療について解説します。

監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
男性の血尿で注意すべき疾患|膀胱がんや腎がん
男性の血尿では、悪性腫瘍の可能性を念頭に置いた精査が重要です。膀胱がんや腎がんは、初期には無症状であることが多く、血尿が唯一の症状として現れることがあります。
膀胱がんと血尿の特徴
膀胱がんは、膀胱の内側を覆う粘膜から発生する悪性腫瘍です。喫煙はリスク因子であり、喫煙者は非喫煙者に比べて膀胱がんの発症リスクが高いとされています。また、染料や化学薬品、ゴム製品などに含まれる化学物質への長期曝露も関連があるといわれています。
膀胱がんの典型的な症状は、無症候性(痛みなどの自覚症状がない状態)の肉眼的血尿です。痛みや排尿障害を伴わないことが多く、血尿が一時的に消失することもあるため、放置されがちです。しかし、血尿が繰り返し出現する場合は、膀胱がんの可能性を考慮し早期に受診することが重要です。
診断には膀胱鏡検査が不可欠であり、膀胱内の腫瘍を直接観察し生検を行います。また、尿細胞診により尿中のがん細胞を検出することも有用です。画像検査ではCTやMRIが行われ、転移の有無や腫瘍の大きさや浸潤の程度を評価します。早期の表在性がんであれば内視鏡的切除術で治療が可能であり、筋層まで浸潤した場合は膀胱全摘術や化学療法、放射線療法が検討されます。
腎がんによる血尿の見分け方
腎がんは、腎臓の実質から発生する悪性腫瘍であり、血尿、腰痛、腹部腫瘤が古典的な三主徴とされています。しかし、これらの症状が揃うのは進行した段階であり、初期には無症状であることが多いです。近年では、健康診断の超音波検査やCT検査で偶然発見される小さな腎がんが増加しています。
腎がんによる血尿は、腎臓や尿管からの出血であるため、暗赤色やコーラ様の色調を示すことがあります。また、血塊が尿管を通過する際に側腹部痛を伴うこともあります。腰痛が持続する場合や腹部に腫瘤が触知される場合は、進行している可能性があり、早期の精査が必要です。
診断には超音波検査やCT検査、MRI検査が行われ、腫瘍の大きさや浸潤の程度、転移の有無を評価します。治療は手術療法が中心であり、腫瘍の大きさや位置に応じて腎部分切除術や腎摘出術が選択されます。早期発見できれば根治が期待でき、予後も良好です。
まとめ
血尿は、さまざまな原因により生じる重要なサインです。軽度の炎症から重大な疾患まで幅広い可能性があるため、血尿を自覚した際は自己判断で放置せず、速やかに医療機関を受診することが大切です。男性では前立腺肥大症や膀胱がん、女性では膀胱炎や腎盂腎炎が頻度の高い原因であり、年齢や性別、随伴症状によって鑑別すべき疾患が異なります。
尿の色調や排尿時の症状を観察し、医師に正確に伝えることで、適切な診断と治療につながります。鮮やかな赤色の血尿は膀胱や尿道からの出血を示唆し、暗赤色や茶褐色の血尿は腎臓や尿管からの出血を示唆することが多いです。また、痛みや発熱、頻尿などの随伴症状も重要な情報となります。
早期発見により治療選択肢が広がり、予後の改善が期待できるため、血尿を軽視せず専門医に相談しましょう。特に40歳以上で肉眼的血尿が出現した場合は、悪性腫瘍の可能性を念頭に置いた精密検査が推奨されます。健康診断で顕微鏡的血尿を指摘された場合も、放置せず医師に相談し、必要に応じて精密検査を受けることが重要です。適切な対応により、安心して日常生活を送ることができます。
参考文献