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痛みがない「血尿」は要注意?体からの“重要なサイン”と放置するリスクを医師が解説!

 公開日:2026/02/09
痛みがない「血尿」は要注意?体からの“重要なサイン”と放置するリスクを医師が解説!

血尿は尿中に赤血球が混じる状態を指し、目で確認できる「肉眼的血尿」と検査で発見される「顕微鏡的血尿」に分けられます。健康診断で潜血反応陽性と指摘された経験をお持ちの方も少なくないでしょう。血尿は身体が発する重要なサインであり、原因となる疾患もさまざまです。ここでは血尿の基本的な分類と、それぞれが示す身体からのメッセージについて解説します。

村上 知彦

監修医師
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)

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長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科

血尿とは何か|基礎知識と分類

血尿とは、尿中に赤血球が混入している状態を指します。肉眼で赤みやピンク色が確認できる「肉眼的血尿」と、見た目では判断できず尿検査で初めて発見される「顕微鏡的血尿」の2種類に分類されます。

肉眼的血尿と顕微鏡的血尿の違い

肉眼的血尿は、目で見て明らかに赤みやピンク色、茶褐色などの色調が確認できる状態です。ごく少量の血液が混じるだけでも、肉眼で変化がわかることがあり、一定量以上の出血があることを示唆します。排尿の最初から最後まで色が変わらない「全血尿」と、排尿の一部だけに色が現れる「初期血尿」「終末血尿」に細分化されます。
一方、顕微鏡的血尿は、見た目では正常な尿の色をしているものの、尿を遠心分離して顕微鏡で観察すると赤血球が検出される状態です。健康診断の尿検査で「潜血反応陽性」と指摘されるケースの多くがこれに該当します。顕微鏡的血尿は無症状であることが多く、放置されがちですが、繰り返し陽性が続く場合は精密検査が必要です。
どちらのタイプであっても、血尿の持続期間や随伴症状、年齢、性別、既往歴などを総合的に評価し、原因を特定することが求められます。肉眼的血尿は患者さん自身が気づきやすいため受診のきっかけになりやすいですが、顕微鏡的血尿は定期的な健康診断を通じて初めて発見されることが多いため、検査結果を軽視せず医師に相談することが重要です。

血尿が示す身体からのサイン

血尿は、身体が発する重要なサインの一つです。原因となる疾患は、泌尿器系に限らず全身性の病気が関与している場合もあります。たとえば、腎臓の糸球体に炎症が起きる糸球体腎炎では、血尿とともにタンパク尿や浮腫、高血圧が現れることがあります。また、尿路結石では激しい側腹部痛や腰痛を伴う血尿が特徴的であり、膀胱がんや腎がんなどの悪性腫瘍では無症候性(痛みなどの自覚症状がない状態)の血尿が長期間続くこともあります。
血尿が一過性で消失した場合でも、安心して放置すべきではありません。特に40歳以上の方で肉眼的血尿が出現した場合は、悪性腫瘍の可能性を念頭に置いた精密検査が推奨されます。早期に発見できれば治療選択肢が広がり、予後の改善が期待できるため、血尿を軽視せず専門医の診察を受けることが大切です。

まとめ

血尿は、さまざまな原因により生じる重要なサインです。軽度の炎症から重大な疾患まで幅広い可能性があるため、血尿を自覚した際は自己判断で放置せず、速やかに医療機関を受診することが大切です。男性では前立腺肥大症や膀胱がん、女性では膀胱炎や腎盂腎炎が頻度の高い原因であり、年齢や性別、随伴症状によって鑑別すべき疾患が異なります。
尿の色調や排尿時の症状を観察し、医師に正確に伝えることで、適切な診断と治療につながります。鮮やかな赤色の血尿は膀胱や尿道からの出血を示唆し、暗赤色や茶褐色の血尿は腎臓や尿管からの出血を示唆することが多いです。また、痛みや発熱、頻尿などの随伴症状も重要な情報となります。
早期発見により治療選択肢が広がり、予後の改善が期待できるため、血尿を軽視せず専門医に相談しましょう。特に40歳以上で肉眼的血尿が出現した場合は、悪性腫瘍の可能性を念頭に置いた精密検査が推奨されます。健康診断で顕微鏡的血尿を指摘された場合も、放置せず医師に相談し、必要に応じて精密検査を受けることが重要です。適切な対応により、安心して日常生活を送ることができます。

この記事の監修医師

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