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知っておきたい「カリウム制限」。腎臓の数値が気になり始めたら読む話

 公開日:2026/02/12
カリウム摂取を避けるべき特定の状況と疾患

カリウムは多くの方にとって有益なミネラルですが、特定の健康状態や疾患を抱える方にとっては、摂取量の制限が必要になる場合があります。本章では、カリウム制限が推奨される代表的な疾患と、それぞれの管理方法について解説します。

武井 香七

監修管理栄養士
武井 香七(管理栄養士)

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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。

保有免許・資格
管理栄養士資格

カリウム摂取を避けるべき特定の状況と疾患

カリウムは患者さんにとって有益なミネラルですが、特定の健康状態や疾患を抱える方にとっては、摂取量の制限が必要になる場合があります。

慢性腎臓病におけるカリウム制限の重要性

慢性腎臓病(CKD)が進行すると、腎臓によるカリウムの排泄能力が低下し、血中カリウム値が上昇しやすくなります。高カリウム血症は、不整脈などの心臓合併症を引き起こす可能性があるため、腎機能の低下が進んだ段階では、食事からのカリウム摂取量に注意が必要とされています。
ただし、すべてのCKD患者さんに一律の厳格な制限が必要になるわけではありません2024年時点の診療指針では、カリウム制限は腎機能の重症度や血清カリウム値を踏まえて段階的に検討することが基本とされています。

CKDステージ別のカリウム摂取量の目安

・CKDステージ1〜3a
多くの場合、明確なカリウム制限は必要ありません。血液検査でカリウム値が正常範囲内であれば、過度な制限は行わず、バランスの取れた食事が重視されます。
・CKDステージ3b〜4
腎機能低下に伴い高カリウム血症のリスクが高まるため、1日あたり2,000mg以下を目安に、摂取量の調整が検討されます。
・CKDステージ5(透析導入前後を含む)
重症度や血清カリウム値によっては、1日1,500mg以下への、より厳格な制限が必要となる場合があります。特に血液透析を受けている方では、透析と透析の間にカリウムが体内に蓄積しやすいため、個別の管理が重要です。

個別管理の重要性

カリウム制限の必要性や目標量は、腎機能の状態、透析の有無、血液検査結果、併用薬などによって大きく異なります。そのため、自己判断で食事制限を強めるのではなく、腎臓内科医や管理栄養士と相談しながら調整していくことが大切です。
食材の下処理(ゆでこぼしなど)や食品選択を工夫することで、必要な栄養を確保しつつ、無理のない食事管理を行うことも可能です。制限そのものが目的ではなく、合併症を防ぎながら生活の質を保つことが、カリウム管理の本来の目的といえるでしょう。

副腎機能不全とカリウム代謝の異常

副腎機能不全(アジソン病など)では、アルドステロンというホルモンの分泌が低下し、腎臓でのナトリウム再吸収とカリウム排泄のバランスが崩れます。その結果、血液中のカリウム濃度が上昇しやすくなり、高カリウム血症を引き起こすリスクが高まります。副腎機能不全の患者さんは、カリウムの摂取量に注意を払い、定期的な血液検査でカリウム値をモニタリングする必要があります。
治療としてはホルモン補充療法が行われますが、食事面でもカリウムを多く含む食材を控えめにし、バランスの取れた食事を心がけることが推奨されます。症状が安定している場合でも、ストレスや感染症などで副腎の機能がさらに低下することがあるため、体調の変化に敏感になり、異常を感じたときは速やかに内分泌内科を受診することが大切です。

まとめ

カリウムは体液バランスの維持や神経・筋肉の正常な働きに欠かせないミネラルであり、日常の食事から自然に摂取することができます。不足すると筋力低下や不整脈などの症状が現れ、過剰摂取は高カリウム血症のリスクを高めるため、適切な量を意識することが重要です。マグネシウムやビタミンB6との組み合わせで効果を高める一方、カリウム保持性利尿薬や塩分代替品との併用には注意が必要です。野菜、果物、魚介類、海藻類など、カリウムを豊富に含む食材を日々の献立に取り入れ、バランスの取れた食生活を実践していきましょう。症状や健康状態に不安がある場合は、内科や腎臓内科を受診し、専門的なアドバイスを受けることが推奨されます。

この記事の監修管理栄養士

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