10年後の体のために。カリウムと食物繊維がつくる「健やかな循環」

カリウムを含む食材を選ぶだけでなく、食事全体の組み立て方を工夫することで、健康効果をさらに高めることができます。本章では、カリウムの吸収や働きを促進する食事パターンと、日常生活に取り入れやすい実践方法について解説します。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
カリウムと一緒に摂ると効果的な食事パターン
カリウムの健康効果を最大限に引き出すためには、単に含有量の多い食材を選ぶだけでなく、食事全体のバランスや摂取タイミングを考慮することが大切です。
食物繊維との同時摂取で腸内環境を整える
食物繊維は腸内環境を改善し、便通を整える働きがあります。カリウムを多く含む野菜や果物には食物繊維も豊富に含まれているため、両者を一緒に摂ることで消化器系の健康維持に役立ちます。食物繊維は腸内の有用菌を増やし、免疫機能の向上や炎症の抑制にも寄与すると報告されています。
野菜を中心とした食事では、サラダやスープ、煮物などでカリウムと食物繊維を同時に摂取できます。たとえば、ほうれん草やブロッコリーを使った温野菜サラダに、オリーブオイルとレモン汁を加えることで、栄養素の吸収を促進しながら風味豊かな一品に仕上がります。果物では、キウイフルーツやりんごが食物繊維とカリウムの両方を含むため、間食や朝食に取り入れやすい選択肢です。
低ナトリウム食との併用で血圧管理を強化
カリウムはナトリウムの排泄を促進し、血圧を下げる働きがあることから、高血圧の予防や管理において重要な役割を果たします。ナトリウム摂取量を減らしながらカリウムを積極的に摂取することで、血圧コントロールの効果がさらに高まると考えられています。減塩を意識しつつカリウムを補給する食事パターンは、循環器疾患のリスク低減に有効です。
減塩を実践する際は、食塩の代わりに香辛料やハーブ、柑橘類の酸味を活用すると、味わい深い料理が楽しめます。たとえば、トマトやほうれん草を使ったスープに、バジルやオレガノを加えることで、塩分を控えながらカリウムを補給できます。また、味噌汁の具材にわかめやじゃがいもを加えることで、味噌の使用量を減らしながら満足感のある一品に仕上げることができます。
まとめ
カリウムは体液バランスの維持や神経・筋肉の正常な働きに欠かせないミネラルであり、日常の食事から自然に摂取することができます。不足すると筋力低下や不整脈などの症状が現れ、過剰摂取は高カリウム血症のリスクを高めるため、適切な量を意識することが重要です。マグネシウムやビタミンB6との組み合わせで効果を高める一方、カリウム保持性利尿薬や塩分代替品との併用には注意が必要です。野菜、果物、魚介類、海藻類など、カリウムを豊富に含む食材を日々の献立に取り入れ、バランスの取れた食生活を実践していきましょう。症状や健康状態に不安がある場合は、内科や腎臓内科を受診し、専門的なアドバイスを受けることが推奨されます。
参考文献