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「甲状腺がん」が治りやすいのは女性?男性? 生存率と年齢の影響を医師が解説!

 公開日:2026/02/09
「甲状腺がん」が治りやすいのは女性?男性? 生存率と年齢の影響を医師が解説!

甲状腺がんの予後は年齢や性別、がんの進行度など複数の要因によって変わります。若年者ほど予後が良好な傾向がある一方で、高齢での発見では注意が必要なこともあります。ここでは生存率を左右する重要な因子について解説し、個々の状況に応じた予後の違いを理解していただきます。

上田 洋行

監修医師
上田 洋行(医師)

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【経歴】
大阪大学医学部卒業
住友病院、大阪大学医学部附属病院にて勤務
専門は糖尿病・内分泌・代謝内科
【資格】
・日本専門医機構認定内科専門医
・日本糖尿病学会糖尿病専門医
・内分泌代謝・糖尿病内科領域専門医

生存率に影響を与える要因

甲状腺がんの生存率は、いくつかの要因によって変動します。年齢、性別、がんの進行度、組織型などが複合的に影響し、個々の予後を左右します。

年齢と性別による予後の違い

年齢は甲状腺がんの予後を左右する重要な因子です。一般的に、若年者ほど予後が良好で、55歳未満では病期が同じでも生存率が高い傾向があります。これは若い方ほどがんの悪性度が低く、治療への反応も良好なためと考えられています。
一方、55歳以上で診断された場合は、同じ組織型でも予後がやや不良になる傾向が報告されています。高齢者では合併症のリスクも高く、積極的な治療が難しいケースもあります。ただし、高齢であっても早期発見により良好な予後を得られることは変わりません。
性別では、女性の方が男性よりも予後が良好とされています。これは女性の方が比較的若い年齢で発見されることが多く、また定期的な健診を受ける機会が多いことも関係している可能性があります。男性でも早期発見・早期治療により良好な予後が期待できます。ただし、これらはあくまで統計的な傾向であり、個人差が大きいことに注意が必要です。

病期とリンパ節転移の影響

がんの進行度を示す病期(ステージ)は、生存率を予測する重要な指標です。甲状腺がんの病期分類では、腫瘍の大きさ、周囲組織への浸潤、リンパ節転移、遠隔転移の有無などが考慮されます。
早期(ステージIまたはII)では、がんが甲状腺内に留まっているか、ごく限られた範囲のリンパ節転移のみで、10年生存率は95%以上と報告されています。進行期(ステージIIIまたはIV)では、広範なリンパ節転移や遠隔転移があり、生存率は低下しますが、それでも他のがんと比べると比較的良好な予後が期待できる場合が多いとされています。
リンパ節転移の有無は、特に若年者では予後への影響が限定的です。ただし、転移リンパ節の数が多い場合や、大きなリンパ節腫大がある場合は、再発リスクが高まるため、術後の経過観察が重要になります。遠隔転移がある場合は予後が大きく変わるため、早期発見により転移が起こる前に治療することが望まれます。これらの情報は一般的な傾向であり、個々の状況により異なることを理解しておく必要があります。

まとめ

甲状腺がんは、早期に発見し適切な治療を受けることで、多くの方が良好な予後を得られる疾患です。症状が少ないため見逃されやすい一方で、定期的な健診や自己チェックにより早期発見が可能です。
特に女性では発症率が高く、ライフステージに応じた注意が必要でしょう。首にしこりを感じたり、声の変化が続いたりする場合は、早めに内科や耳鼻咽喉科、内分泌外来などを受診することをおすすめします。
分化型甲状腺がん、特に乳頭がんは進行が緩やかで、適切な治療により長期的な管理が可能な場合が多いとされています。ただし、個々の状況により経過は異なるため、専門医による適切な診断と治療計画が重要です。
生存率は全体として高い水準にありますが、年齢、病期、組織型などの要因により変動します。未分化がんや進行した髄様がんでは予後が厳しい場合もあるため、早期発見の重要性は変わりません。
甲状腺がんに関する不安や疑問がある場合は、専門医に相談することで、個々の状況に応じた適切な情報とサポートを得ることができます。定期的な検査と自己チェックを習慣化し、早期発見・早期治療につなげることが、安心して日常生活を続けるための第一歩となります。

この記事の監修医師

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