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「甲状腺がん」は他のがんと何が違う?注意すべき特徴や理由を解説!【医師監修】

 公開日:2026/02/03
「甲状腺がん」は他のがんと何が違う?注意すべき特徴や理由を解説!【医師監修】

甲状腺がんは他のがんと比べて症状が出にくいという特徴があります。この性質が早期発見を難しくする一方で、健康診断や画像検査での偶然の発見も増えています。なぜ症状が現れにくいのか、その背景にある理由と、どのような状況で発見されることが多いのかを見ていきましょう。

上田 洋行

監修医師
上田 洋行(医師)

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【経歴】
大阪大学医学部卒業
住友病院、大阪大学医学部附属病院にて勤務
専門は糖尿病・内分泌・代謝内科
【資格】
・日本専門医機構認定内科専門医
・日本糖尿病学会糖尿病専門医
・内分泌代謝・糖尿病内科領域専門医

症状が現れにくい理由と発見の契機

甲状腺がんは他のがんと比べて、症状が現れにくいという特徴があります。この特性が早期発見を難しくする一方で、健診や画像検査での偶然の発見も増えています。

甲状腺がんが症状を起こしにくい背景

甲状腺がんの多くは進行が緩やかで、腫瘍が小さいうちは周囲の組織に影響を与えません。特に乳頭がんは成長速度が遅く、数年から十数年かけて徐々に大きくなることが知られています。このため、自覚症状が出るまでに長い時間がかかるのです。
甲状腺自体の機能は、がんが発生しても初期の段階では保たれていることがほとんどです。甲状腺ホルモンの分泌量に異常が生じるのは、甲状腺組織の大部分が障害されたり、手術で切除されたりした場合に限られます。そのため、だるさや代謝の変化といった全身症状も現れにくいのです。
痛みを伴わないことも、発見が遅れる要因の一つです。他の臓器のがんでは、腫瘍が神経を圧迫したり炎症を起こしたりすることで痛みが生じますが、甲状腺がんは痛みのないしこりとして進行することが大半です。このような特性により、日常生活に支障がなく、気づかれにくいという側面があります。

健康診断や画像検査での偶発的発見

近年、超音波検査(エコー検査)の普及により、症状がない段階で甲状腺がんが発見されるケースが増えています。人間ドックや健康診断で首のエコー検査を受けた際に、数mm程度の小さな結節が見つかり、精密検査の結果がんと診断されることがあります。
また、他の病気の検査で偶然発見されることもあります。たとえば、頸動脈の検査や副甲状腺の検査、頸椎のMRI検査などで甲状腺の異常が指摘されることがあるでしょう。このような偶発的な発見は、がんが小さい段階での診断につながり、治療の選択肢を広げることにもなります。
定期的な健診を受けることで、自覚症状がない段階での発見が可能になります。特に甲状腺疾患のリスクが高い方や家族歴がある方は、意識的に甲状腺のチェックを受けることが望ましいでしょう。ただし、すべての小さな結節が治療を必要とするわけではないため、専門医と相談のうえで適切な判断をすることが重要です。

まとめ

甲状腺がんは、早期に発見し適切な治療を受けることで、多くの方が良好な予後を得られる疾患です。症状が少ないため見逃されやすい一方で、定期的な健診や自己チェックにより早期発見が可能です。
特に女性では発症率が高く、ライフステージに応じた注意が必要でしょう。首にしこりを感じたり、声の変化が続いたりする場合は、早めに内科や耳鼻咽喉科、内分泌外来などを受診することをおすすめします。
分化型甲状腺がん、特に乳頭がんは進行が緩やかで、適切な治療により長期的な管理が可能な場合が多いとされています。ただし、個々の状況により経過は異なるため、専門医による適切な診断と治療計画が重要です。
生存率は全体として高い水準にありますが、年齢、病期、組織型などの要因により変動します。未分化がんや進行した髄様がんでは予後が厳しい場合もあるため、早期発見の重要性は変わりません。
甲状腺がんに関する不安や疑問がある場合は、専門医に相談することで、個々の状況に応じた適切な情報とサポートを得ることができます。定期的な検査と自己チェックを習慣化し、早期発見・早期治療につなげることが、安心して日常生活を続けるための第一歩となります。

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