「電子タバコ」による喉の違和感に注意! 香料の加熱で生じる「刺激物質」の正体を専門医が解説

ニコチン以外にも、電子タバコのリキッドにはさまざまな成分が含まれています。基材として使われる物質や香料が、吸入することでどのような影響を及ぼすのかについて解説します。食品添加物として安全とされる成分でも、加熱して吸い込む場合には別の側面があることを理解しておきましょう。
※本記事では主に「ニコチンを含む電子タバコ(海外製品や個人輸入品など)」について解説しております。日本国内で市販されているニコチンを含まない電子タバコとは、健康影響や法的位置づけが異なる点に注意が必要です。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
電子タバコに含まれる化学物質の作用
電子タバコの蒸気には、ニコチン以外にもさまざまな化学物質が含まれています。これらの物質がどのように作用するのかを知ることは、健康管理において重要です。
プロピレングリコールとグリセリンの役割
プロピレングリコールとグリセリンは、電子タバコのリキッドにおける主要な基材として使用されています。これらの物質は蒸気を生成し、香料やニコチンを運ぶ役割を果たします。プロピレングリコールは食品添加物としても使用されており、一般的には安全性が高いと考えられています。
しかし、これらの物質を加熱して吸入する場合、口腔や気道の粘膜に接触することになります。プロピレングリコールは一部の方に軽度の刺激を引き起こすことがあり、喉の乾燥や咳の原因となる可能性が報告されています。グリセリンも同様に、吸湿性が高いため口腔内の乾燥を招くことがあるでしょう。
長期的な吸入による影響については、まだ十分な研究データが蓄積されていないのが現状です。これらの物質を食べることと吸入することでは、身体への影響が異なる可能性があるため、継続的な調査が必要とされています。
香料成分と添加物の生体への影響
電子タバコのリキッドには、フルーツやメンソールなどさまざまな香料が添加されています。これらの香料成分の多くは食品添加物として認可されているものですが、加熱して吸入した場合の安全性については別途検証が必要です。
特定の香料成分は、加熱することで化学構造が変化し、新たな物質を生成する可能性があります。例えば、バニリンやシンナムアルデヒドといった香料成分は、高温にさらされると気道に刺激を与える物質に変化することが実験的に確認されています。
また、ジアセチルと呼ばれるバター風味を作り出す化学物質は、職業性の吸入によって重篤な肺疾患を引き起こすことが知られています。一部の電子タバコ製品からこの物質が検出されたという報告もあり、製品選択における注意点の一つとなっています。香料の種類や濃度は製品によって大きく異なるため、成分表示を確認することが推奨されます。
まとめ
電子タバコは従来のタバコの代替として広がりましたが、その健康への影響は決して無視できるものではありません。本記事で解説したように、身体的な作用から精神への影響、依存性の問題まで、科学的な根拠に基づいた理解が重要です。禁煙を考えている方は、段階的なアプローチと医療機関のサポートを活用することで、成功の可能性を高めることができます。健康的な生活を取り戻すための第一歩として、まずは専門医への相談を検討してみてはいかがでしょうか。