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「眠れない」原因は就寝前のスマホ?ブルーライトが睡眠に与える影響と対策を医師が

 公開日:2026/03/02
「眠れない」原因は就寝前のスマホ?ブルーライトが睡眠に与える影響と対策を医師が

ブルーライトは、可視光線の中でも波長が短くエネルギーが高い光を指します。太陽光にも含まれていますが、現代ではスマートフォンやパソコン、タブレット、テレビなどのデジタルデバイスから発せられるブルーライトへの曝露が問題視されています。ここでは、ブルーライトがメラトニンの分泌を抑制するメカニズムと、デジタルデバイス使用が睡眠に与える影響について解説します。

伊藤 有毅

監修医師
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)

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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

ブルーライトと睡眠の関係

ブルーライトは、可視光線の中でも波長が短く、エネルギーが高い光を指します。太陽光にも含まれていますが、現代ではスマートフォンやパソコン、タブレット、テレビなどのデジタルデバイスから発せられるブルーライトへの曝露が問題視されています。

デジタルデバイス使用と睡眠への影響

ブルーライトが睡眠に影響するメカニズムは、主にメラトニンの分泌抑制にあります。人間の目の網膜には、光を感知して体内時計を調整する特殊な細胞があり、これがブルーライトに特に敏感に反応します。夜間にブルーライトを浴びると、脳は昼間だと誤認し、メラトニンの分泌が抑制されます。その結果、自然な眠気が訪れにくくなり、入眠困難につながります。
就寝前のスマートフォンやタブレットの使用は、現代人の睡眠問題の大きな要因となっています。多くの方がベッドの中でスマートフォンを見る習慣を持っており、ニュースやSNSをチェックしたり、動画を視聴したりしています。この行為は、ブルーライトの影響に加えて、コンテンツそのものが脳を覚醒させる要因にもなります。
研究では、就寝前2時間のデジタルデバイス使用により、メラトニンの分泌が遅れ、入眠時刻が後ろにずれることが示されています。また、睡眠の質も低下し、特にレム睡眠が減少することが報告されています。デバイスの画面輝度が高いほど、使用時間が長いほど、影響は大きくなります。

年齢層による影響の違い

ブルーライトの影響は、年齢によって異なる側面があります。若年層ほど体内時計がブルーライトに敏感に反応する傾向があり、特に思春期から20代にかけての若者では、夜間のブルーライト曝露が睡眠位相の後退、つまり寝つきが遅くなり朝起きられなくなるという状態を引き起こしやすいとされています。
一方、高齢になると水晶体が黄色く濁ってくるため、ブルーライトが網膜に届きにくくなり、若年者ほどの影響は受けにくいと考えられています。しかし、高齢者でも夜間のデジタルデバイス使用が睡眠を妨げる可能性はあり、コンテンツによる精神的興奮や、デバイス操作による覚醒の影響は年齢に関わらず存在します。
ブルーライトと睡眠の関係については、まだ研究途上の部分もあります。ブルーライトだけが唯一の問題ではなく、デバイス使用時の姿勢、コンテンツの内容、使用時間の長さなど、複合的な要因が睡眠に影響していると考えられています。それでも、夜間のブルーライト曝露を減らすことは、睡眠の質を改善するための有効な対策の一つといえるでしょう。

まとめ

夜眠れない悩みには、さまざまな原因が複雑に絡み合っています。お酒は一時的に入眠を早めるものの、睡眠の質を低下させる側面があります。カフェインは覚醒作用により入眠を妨げ、ブルーライトはメラトニンの分泌を抑制します。一方、適切な入浴は体温リズムを整え、自然な眠気を促す効果があります。これらの要素を理解し、生活習慣を見直すことが睡眠改善の第一歩となります。改善しても症状が続く場合は、専門医に相談し、適切な治療を受けることが大切です。

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