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なぜ夜眠れない?入眠困難を引き起こす身体的・心理的要因と改善のポイントを医師解説

 公開日:2026/02/23
なぜ夜眠れない?入眠困難を引き起こす身体的・心理的要因と改善のポイントを医師解説

夜になってもなかなか寝つけない状態は、医学的には入眠困難と呼ばれています。布団に入ってから30分以上眠れない状態が週に3回以上、3ヶ月以上続く場合には注意が必要です。入眠困難の背景には、身体的な要因と心理的な要因が複雑に絡み合っています。ここでは、眠れない夜が続く原因について、生理的要因と心理的要因の両面から詳しく解説していきます。

伊藤 有毅

監修医師
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)

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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

夜眠れない主な原因とメカニズム

夜眠れない状態は、医学的には入眠困難と呼ばれ、不眠症の代表的な症状の一つとされています。入眠困難は、布団に入ってから30分以上眠れない状態が週に3回以上、3ヶ月以上続く場合に問題となることが一般的です。

生理的要因による睡眠障害

眠れない原因として、まず身体的な要因が挙げられます。痛みや呼吸困難、頻尿といった身体症状があると、入眠を妨げたり、睡眠の質を低下させたりします。特に中高年以降では、前立腺肥大や過活動膀胱による夜間頻尿が睡眠の妨げになることがあります。また、睡眠時無呼吸症候群のように、睡眠中に呼吸が一時的に止まる疾患では、本人は気づかなくても睡眠が浅くなり、日中の眠気や疲労感につながります。
更年期障害によるホルモンバランスの変化も、睡眠に大きく影響します。女性の場合、エストロゲンの減少により体温調節が不安定になり、ほてりや発汗が夜間に起こると、それが覚醒の引き金となります。男性でも加齢に伴うテストステロンの減少が睡眠の質に影響することが知られています。

心理的要因とストレスの影響

心理的な要因も入眠困難の大きな原因です。不安や心配事があると、交感神経が優位な状態が続き、身体が興奮状態から抜け出せません。交感神経が活発なときは心拍数や血圧が上昇し、筋肉も緊張しているため、リラックスして眠りにつくことが難しくなります。
仕事や人間関係のストレスは、コルチゾールというストレスホルモンの分泌を増やします。通常、コルチゾールは朝に高く夜に低くなるリズムを持っていますが、慢性的なストレスによってこのリズムが乱れ、夜になってもコルチゾール値が下がらないことがあります。その結果、覚醒状態が維持されて眠れなくなります。
また、うつ病や不安障害といった精神疾患では、睡眠障害が高い頻度で認められます。うつ病の場合、早朝覚醒や中途覚醒が特徴的ですが、入眠困難を伴うケースも少なくありません。不安障害では、特に入眠時に不安感が強まり、寝つきが悪くなる傾向があります。

まとめ

夜眠れない悩みには、さまざまな原因が複雑に絡み合っています。お酒は一時的に入眠を早めるものの、睡眠の質を低下させる側面があります。カフェインは覚醒作用により入眠を妨げ、ブルーライトはメラトニンの分泌を抑制します。一方、適切な入浴は体温リズムを整え、自然な眠気を促す効果があります。これらの要素を理解し、生活習慣を見直すことが睡眠改善の第一歩となります。改善しても症状が続く場合は、専門医に相談し、適切な治療を受けることが大切です。

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