目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 多いのは「足の裏」?メラノーマが発生しやすい部位と特徴を医師が解説

多いのは「足の裏」?メラノーマが発生しやすい部位と特徴を医師が解説

 公開日:2025/12/22
多いのは「足の裏」?メラノーマが発生しやすい部位と特徴を医師が解説

メラノーマは全身のあらゆる部位に発生する可能性がありますが、統計的に発生頻度の高い部位があることが知られています。日本人では欧米人とは異なり、足の裏や手のひらといった末端部に多く見られる特徴があります。ここでは発生しやすい部位の特徴と、それぞれの部位で注意すべきポイントについて解説します

本木 智輝

監修医師
本木 智輝(医師)

プロフィールをもっと見る
神奈川県川崎市 ナビタスクリニック川崎(皮膚科)勤務

新潟大学卒業
日本医科大学皮膚科 助教

メラノーマが発生しやすい身体の部位

メラノーマは全身のあらゆる部位に発生する可能性がありますが、統計的に発生頻度の高い部位があることが知られています。これらの部位を重点的に観察することが、早期発見につながります。

日本人に多い足底や手掌のメラノーマ

日本人を含むアジア系の人々では、欧米人とは異なる発生部位の特徴があります。注目すべきは、足の裏や手のひらといった末端部に発生するメラノーマが比較的多いという点です。
足の裏のメラノーマは、日本人のメラノーマ全体の約3割から4割を占めるといわれています。かかとや土踏まず、足の指の間など、日常的に圧力がかかる部位に発生しやすい傾向があります。黒いしみやほくろと見分けがつきにくく、また自分では見えにくい場所であるため、発見が遅れやすいという特徴があります。
手のひらに発生するメラノーマは足の裏ほど多くはありませんが、注意が必要な部位です。また、手足の爪に発生する爪下メラノーマも、日本人に比較的多く見られるタイプとして知られています。

紫外線を浴びやすい顔や首の注意点

日本人では足底のメラノーマが多い一方で、紫外線を浴びやすい部位にも注意が必要です。顔面、特に頬や鼻、額といった突出した部位は紫外線の影響を受けやすく、メラノーマの発生リスクがある部位といえます。
首や耳、特に耳たぶの裏側なども見落としやすい部位です。これらの場所は普段あまり注意して観察しない場所であるため、変化に気づきにくいことがあります。洗顔や髭剃り、化粧の際に顔全体を注意深く観察する習慣を持つことが推奨されます。

まとめ

メラノーマは早期に発見できれば治療可能な疾患です。自覚症状に乏しく見逃されやすいという特徴を持つメラノーマですが、皮膚の変化を注意深く観察し、少しでも気になる点があれば専門医に相談することで、早期発見につなげることができます。爪の縦線や皮膚のほくろの変化、特に短期間での急速な変化や出血といった症状は重要なサインです。ABCDEルールを参考にしながら定期的に自己観察を行い、見えにくい部位は家族の協力を得て確認することが推奨されます。紫外線対策などの予防とともに、リスク因子を持つ方は定期的な専門医による検診を受けることで、メラノーマの早期発見と適切な治療につなげていきましょう。

この記事の監修医師

注目記事