γ-GTPが高いとどうなる? 放置するリスクと知っておきたい2つの重大な病気を医師が解説

γ-GTPの高い状態が続くと、肝臓の機能が徐々に低下し深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。初期段階では自覚症状がほとんどないため、異常を見逃してしまうケースも少なくありません。肝硬変や肝がんへの進行を防ぐためには、数値の上昇を早期に発見し適切に対処することが極めて重要です。

監修医師:
藤原 大輔(医師)
1999年香川大学卒業
1999年4月香川大学放射線科勤務
2000年4月岡山大学第二内科勤務
2000年6月十全総合病院勤務
2001年6月岡山赤十字病院勤務
2011年5月クリニック開業
2022年8月以降体調不良により離職中
【免許・資格】
総合内科専門医
消化器内視鏡学会専門医
消化器病学会専門医
目次 -INDEX-
γ-GTPが高いと起こるリスク
γ-GTPが高い状態が続くと、肝臓の機能が徐々に低下し、さまざまな健康上の問題が生じるリスクが高まります。初期段階では自覚症状がほとんどないため、異常を放置してしまう方も少なくありません。しかし、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、症状が現れたときにはすでに病状がかなり進行していることも多いのです。
肝硬変への進行
γ-GTPの上昇は、肝臓の細胞が継続的にダメージを受けているサインです。このダメージが積み重なると、肝細胞の破壊と再生が繰り返され、やがて肝臓の組織が硬く変化していきます。この状態が進行すると、肝硬変へと移行し、肝機能が大幅に低下します。
肝硬変は、肝臓の細胞が長期間にわたって破壊され、その後に線維化が進んで肝臓全体が硬くなった状態を指します。肝硬変になると、肝臓本来の機能である解毒作用、タンパク質の合成、胆汁の生成などが十分に行えなくなります。
肝硬変の症状としては、全身の倦怠感、食欲不振、腹部の膨満感、むくみ、黄疸などが挙げられます。さらに進行すると、腹水が貯まったり、消化管出血を起こしたり、意識障害をきたす肝性脳症を発症することもあります。肝硬変は一度進行すると元に戻すことが難しく、肝臓移植が必要になるケースもあるため、早期の段階で適切な対策を講じることが極めて重要です。
肝がんのリスク
肝硬変が進行すると、肝がんを発症するリスクが著しく高まります。肝がんは、肝硬変を背景に発症することが多く、日本では年間約3万人が肝がんと診断されています。肝がんの初期段階では症状がほとんどなく、進行してから発見されることも少なくありません。
肝がんの治療には、手術による切除、ラジオ波焼灼療法、肝動脈塞栓術、分子標的薬による薬物療法などがあります。しかし、進行した状態で発見されると治療の選択肢が限られ、予後にも影響します。γ-GTPの上昇を早期に発見し、適切に対処することで、肝硬変や肝がんへの進行リスクを低減することが可能です。
まとめ
γ-GTPは肝臓や胆道の健康状態を示す重要な指標であり、数値の上昇は肝細胞の障害や胆汁うっ滞を反映しています。主な原因としてアルコールの過剰摂取が知られていますが、肥満や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病、薬剤の影響、胆道系疾患なども関与します。高い状態を放置すると肝硬変や肝がんへと進行するリスクがあるため、早期の対処が不可欠です。改善には食事の見直し、運動習慣の確立、禁酒や節酒が有効であり、必要に応じて医療機関での治療を受けることが大切です。定期的な検査で数値の推移を確認し、専門医の指導のもと適切な管理を続けることで、肝臓の健康を守り、全身の健康維持につなげることができます。
参考文献