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γ-GTPの高値を放置するとどうなる? アルコール性肝硬変の怖さと休肝日の重要性を医師が解説

 公開日:2026/02/08
アルコール摂取とγ-GTP

γ-GTPが高くなる原因として広く知られているのがアルコールの過剰摂取です。飲酒習慣がある方では、肝臓への負担が大きくなり数値が上昇しやすくなります。アルコール性肝障害は放置すると肝硬変まで進行する恐れがあるため、早期に気づいて対処することが重要です。適切な飲酒量や休肝日の設定について理解を深めましょう。

藤原 大輔

監修医師
藤原 大輔(医師)

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【経歴】
1999年香川大学卒業
1999年4月香川大学放射線科勤務
2000年4月岡山大学第二内科勤務
2000年6月十全総合病院勤務
2001年6月岡山赤十字病院勤務
2011年5月クリニック開業
2022年8月以降体調不良により離職中

【免許・資格】
総合内科専門医
消化器内視鏡学会専門医
消化器病学会専門医

アルコール摂取とγ-GTP

γ-GTPが高くなる要因のひとつとして、広く知られているのがアルコール摂取です。γ-GTPは「アルコール性肝障害のマーカー」とも呼ばれ、飲酒習慣の影響を敏感に反映する指標として重視されています。アルコール摂取量が多いほどγ-GTPは上昇しやすく、毎日飲酒する習慣がある方や一度に大量のアルコールを摂取する方では、数値が基準値を大きく超えることもめずらしくありません。

アルコール関連肝疾患の進行とγ-GTP

アルコール関連肝疾患の初期段階は、アルコール性脂肪肝という比較的軽い状態から始まります。この段階ではAST・ALTは正常〜軽度上昇にとどまることが多く、同時にγ-GTPが上昇している場合も少なくありません。この時点で禁酒や節酒といった生活習慣の改善に努めることで肝臓が回復し、γ-GTPも正常化しやすいと言われています。しかし、飲酒習慣がそのまま続くと、アルコール性脂肪肝はアルコール性肝炎へと進行します。この段階になると、肝細胞の炎症が目立つようになり、γ-GTPだけでなくAST(GOT)やALT(GPT)などの数値もさらに上昇します。炎症が起こることで肝細胞の破壊と再生が繰り返され、肝臓の組織が徐々に硬く変化していきます。さらに飲酒を続けてしまうと、肝線維症から肝硬変という不可逆的な段階に進みます。肝硬変まで進行すると、肝臓本来の働きである解毒・タンパク質合成・ホルモン調整などが大きく損なわれ、生活に重大な支障をきたすようになります。腹水や黄疸、肝性脳症などの重篤な症状が現れることもあり、命に関わる状態となります。
γ-GTPはこのアルコール関連肝疾患の進行を比較的早期から反映するため、いわば「危険の予告灯」のような存在となっています。脂肪肝の段階で対策をとれば改善しやすいという特徴があるため、数値が上がり始めたら早めに対応するという姿勢が非常に大切です。

適切な飲酒量とは

厚生労働省が示す「節度ある適度な飲酒」は、多くても1日平均純アルコール量で20g程度とされています。これはビール中瓶1本(500ml)、日本酒1合(180ml)、ワイングラス2杯弱に相当します。この量を超える飲酒、例えば日本酒で1日3合以上、ビールなら1.5リットル以上を習慣的に続けると、肝臓への負担が大きくなり、γ-GTPの上昇リスクが高まります。女性は男性よりも少ない量が適当であり、高齢者もより少ない量が勧められます。なお、20gは節度ある量の上限であり、それ未満に抑えるほど将来の病気リスクは下がります。近年では、アルコールは発がん作用もあることから、極力飲まない方が安全というのが医学的コンセンサスになっています。
さらに「毎日飲む量が単純に多い」だけではなく、「飲み方の習慣」も影響します。たとえば、一週間にまとめて大量に飲んだり、空腹時にアルコールを摂取する習慣は、肝臓に強いストレスを与えます。これにより、γ-GTPの数値が急激に上がることもあります。逆に、少量の飲酒を毎日続ける場合でも、肝臓の解毒能力を超えるとやはり上昇することがあります。さらに、個人差、男女差も大きく影響します。同じ量のアルコールを摂取しても、肝臓の強さや遺伝的な酵素活性、性別の違いによってγ-GTPの上がり方は異なります。特に、日本人に多いアルコール分解酵素(ADHやALDH)の活性が低い人は、少量の飲酒でも顔が赤くなり肝臓に負担がかかりやすく、γ-GTPが上昇しやすい傾向があります。
また、週に2日程度の休肝日を設けることも推奨されています。休肝日を設けることで、肝臓が修復する時間を確保でき、ダメージの蓄積をある程度は減らすことができます。飲酒習慣がある方は、自分の飲酒量を見直し、適切な範囲に抑える意識が大切です。

まとめ

γ-GTPは肝臓や胆道の健康状態を示す重要な指標であり、数値の上昇は肝細胞の障害や胆汁うっ滞を反映しています。主な原因としてアルコールの過剰摂取が知られていますが、肥満や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病、薬剤の影響、胆道系疾患なども関与します。高い状態を放置すると肝硬変や肝がんへと進行するリスクがあるため、早期の対処が不可欠です。改善には食事の見直し、運動習慣の確立、禁酒や節酒が有効であり、必要に応じて医療機関での治療を受けることが大切です。定期的な検査で数値の推移を確認し、専門医の指導のもと適切な管理を続けることで、肝臓の健康を守り、全身の健康維持につなげることができます。

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