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「乳がんの5年生存率」はどれくらいかご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2026/01/11
乳がんの5年生存率の実態

生存率は治療効果や予後を理解するうえで重要な指標ですが、統計データは過去の治療成績に基づいており、現在の治療ではさらなる改善が期待できる点に留意が必要です。乳がんの5年生存率は早期発見により大きく向上しており、ステージ1では90%を超える高い数値が報告されています。本章では、ステージ別の5年生存率の実態と、生存率に影響を与えるさまざまな因子について解説します。

尾崎 章彦

監修医師
尾崎 章彦(医師)

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【経歴】
平成22年3月 東京大学医学部医学科卒業
平成22年4月 国保旭中央病院初期研修プログラム
平成24年4月 竹田綜合病院 外科
平成26年10月 南相馬市立総合病院外科 外科
平成30年1月 大町病院 外科
平成30年7月 ときわ会常磐病院(福島県いわき市) 乳腺外科

【資格】
専門:外科学、乳腺腫瘍学、災害医学、利益相反、医学教育
日本外科学会 専門医
日本消化器外科学会 専門医
日本乳癌学会 乳腺専門医
検診マンモグラフィ読影認定
乳房超音波読影認定

乳がんの5年生存率の実態

生存率は治療効果や予後を理解するうえで重要な指標ですが、統計データは過去の治療成績に基づいており、現在の治療ではさらなる改善が期待できる点に留意が必要です。

ステージ別の5年生存率

全国がん登録などの大規模データによると、乳がんの5年相対生存率はステージにより大きく異なります。ステージ1では90%以上、ステージ2では約80%から90%程度と報告されています。ステージ3では60%から70%程度に低下し、ステージ4では30%から40%程度とされています。

ただし、これらの数値は診断時のステージに基づくものであり、実際の予後は治療への反応性やサブタイプなどの個別因子によって変動します。早期発見された乳がんの予後は良好であり、適切な治療により長期生存が十分に期待できることがわかります。生存率の数値は統計上の平均値であり、個々の患者さんの状況に完全に当てはまるものではありません。また、統計データには数年前の治療成績が反映されているため、医療技術の進歩により現在はより良好な結果が得られている可能性があります。

生存率に影響する因子

生存率はステージだけでなく、がんのサブタイプ、年齢、全身状態などさまざまな因子の影響を受けます。ホルモン受容体陽性のがんは内分泌療法が長期間有効であり、比較的予後が良好とされています。HER2陽性がんは以前は予後不良とされていましたが、分子標的薬の登場により生存率が大きく改善しました。

一方、トリプルネガティブ乳がんは治療選択肢が限られることから、ほかのタイプと比べて再発リスクが高い傾向があります。年齢に関しては、若年発症の場合やや予後が厳しい傾向が報告されていますが、これはがんの生物学的特性が異なることが一因と考えられています。患者さんの全身状態や合併症の有無も治療の選択や完遂に影響するため、生存率に間接的に関係します。これらの因子は複雑に絡み合っており、単一の要素だけで予後を予測することは困難です。

まとめ

乳がんの治療は、がんそのものへの対処だけでなく、身体機能や外見、心理面など多面的なケアが必要となります。ステージに応じた適切な治療選択により、生存率は着実に向上しています。治療による見た目の変化は避けられない場合もありますが、再建やアピアランスケアなどの対策により、患者さんの生活の質を保つことが期待できます。気になる症状があれば早期に専門の医師を受診し、個別化された治療計画を立てることが大切です。医療チームと十分に相談しながら、自分に合った治療とケアを選択していきましょう。

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