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「早期乳がん」と「進行乳がん」の治療の違いとは?【医師監修】

 公開日:2026/01/09
早期乳がんと進行乳がんの治療の違い

早期乳がんと進行乳がんでは治療の目的やアプローチが異なります。早期がんでは根治を目指した治療が中心となりますが、進行がんでは症状の緩和と生活の質の維持も重要な目標となります。どちらの段階においても、治療の選択肢は一つだけではなく、複数の方法を組み合わせることで良好な治療効果を狙います。本章では、ステージに応じた治療戦略の違いについて、早期がんと進行がんそれぞれの具体的な治療の進め方を解説します。

尾崎 章彦

監修医師
尾崎 章彦(医師)

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【経歴】
平成22年3月 東京大学医学部医学科卒業
平成22年4月 国保旭中央病院初期研修プログラム
平成24年4月 竹田綜合病院 外科
平成26年10月 南相馬市立総合病院外科 外科
平成30年1月 大町病院 外科
平成30年7月 ときわ会常磐病院(福島県いわき市) 乳腺外科

【資格】
専門:外科学、乳腺腫瘍学、災害医学、利益相反、医学教育
日本外科学会 専門医
日本消化器外科学会 専門医
日本乳癌学会 乳腺専門医
検診マンモグラフィ読影認定
乳房超音波読影認定

早期乳がんと進行乳がんの治療の違い

早期乳がんと進行乳がんでは治療の目的やアプローチが異なります。早期がんでは根治を目指した治療が中心となりますが、進行がんでは症状の緩和と生活の質の維持も重要な目標となります。

早期乳がんにおける治療戦略

ステージ1や2の早期乳がんでは、手術によるがんの完全切除が治療の中心です。乳房温存術が可能な場合が多く、術後に放射線療法を追加することで局所再発を予防します。手術で切除した組織を病理検査で詳しく調べ、がんの性質や広がりを評価します。

その結果に基づいて、術後補助療法として薬物療法が必要かどうかを判断します。リンパ節転移がない、またはごく少数にとどまる場合、ホルモン受容体陽性であれば内分泌療法を、HER2陽性であれば分子標的療法を、再発リスクが高いと判断された場合には化学療法を検討します。これらの補助療法は、目に見えない微小転移を根絶し、再発リスクを低下させる目的で行われます。ただし、補助療法の必要性や種類は個々の状況により異なり、年齢や基礎疾患、患者さんの希望なども考慮して決定されます。

進行乳がんの治療アプローチ

ステージ3の局所進行がんや、ステージ4の遠隔転移を伴うがんでは、治療戦略が異なります。ステージ3では手術が難しい大きさや広がりがある場合、まず薬物療法を行ってがんを縮小させてから手術を行う術前化学療法が選択されることがあります。この方法により手術の可能性が広がり、乳房温存の機会も増えることが期待されます。

ステージ4の転移性乳がんでは、完全な治癒は難しいものの、適切な治療により症状をコントロールしながら長期の生存を目指します。薬物療法が治療の主体となり、サブタイプに応じた薬剤を選択します。痛みや呼吸困難などの症状に対しては、放射線療法や緩和ケアを組み合わせて対応し、患者さんが可能な限り良好な生活の質を保てるよう支援します。治療効果の判定は定期的な画像検査や血液検査により行われ、効果が乏しい場合は別の治療法への変更も検討されます。

まとめ

乳がんの治療は、がんそのものへの対処だけでなく、身体機能や外見、心理面など多面的なケアが必要となります。ステージに応じた適切な治療選択により、生存率は着実に向上しています。治療による見た目の変化は避けられない場合もありますが、再建やアピアランスケアなどの対策により、患者さんの生活の質を保つことが期待できます。気になる症状があれば早期に専門の医師を受診し、個別化された治療計画を立てることが大切です。医療チームと十分に相談しながら、自分に合った治療とケアを選択していきましょう。

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