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「プロテインシェイク」を飲み過ぎると”体臭がきつく”なる?過剰摂取の影響を解説!

 公開日:2025/12/16
「プロテインシェイク」を飲み過ぎると”体臭がきつく”なる?過剰摂取の影響を解説!

プロテインシェイクは適量の範囲内であれば有益な栄養補助食品ですが、過剰に摂取すると健康を損なうリスクが生じます。内臓機能への過度な負担や、意図しない体重増加など、飲みすぎによって起こりうる具体的な問題があります。ここでは過剰摂取が引き起こす可能性のあるリスクについて、内臓への影響と体重管理という2つの重要な視点から解説します。

濱木 珠恵

監修医師
濱木 珠恵(ナビタスクリニック新宿)

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【経歴】
北海道大学医学部を卒業後、国立国際医療センターにて研修。
虎の門病院、国立がんセンター中央病院で造血幹細胞移植の臨床研究に従事。都立府中病院、都立墨東病院での血液疾患診療を経て、2012年にナビタスクリニック東中野院長、2016年よりナビタスクリニック新宿院長に就任。
貧血外来や女性内科などで女性の健康をサポート。

【専門・資格・所属】
血液内科、貧血、女性内科、内科一般

日本血液学会 専門医
日本内科学会 認定医

プロテインシェイクの飲みすぎがもたらすリスク

プロテインシェイクは適量であれば有益ですが、飲みすぎると健康上のリスクが生じる可能性があります。内臓への負担増加と体調不良、体重増加と脂質代謝への影響など、過剰摂取による具体的なリスクについて解説します。

内臓への負担増加と体調不良

タンパク質の過剰摂取は、腎臓だけでなく肝臓にも負担をかける可能性があります。肝臓はタンパク質の代謝において重要な役割を果たしており、過剰な量を処理し続けると、肝機能に影響が出る可能性があります。特に、もともと肝機能に問題がある方は、タンパク質の摂取量について医師に相談することが推奨されます。

また、過剰なタンパク質摂取により、体内のカルシウムが尿中に排出されやすくなることが報告されています。長期的には、骨密度の低下につながるリスクも指摘されています。特に、もともとカルシウム摂取が不足している方は注意が必要です。カルシウムの摂取を意識するとともに、適度な運動や日光浴など、骨の健康を維持するための総合的な対策が重要です。

さらに、タンパク質の分解過程で生じるアンモニアなどの代謝産物が蓄積すると、疲労感や食欲不振などの症状が現れることがあります。これらの症状が続く場合は、摂取量を見直す必要があります。また、口臭や体臭が強くなるという報告もあり、これもタンパク質の過剰摂取による代謝産物の影響と考えられています。

体重増加と脂質代謝への影響

プロテインシェイクにもカロリーが含まれているため、必要以上に摂取すれば体重増加につながります。1回分のシェイクで100kcalから200kcal程度のカロリーがあることが多く、これを通常の食事に加えて摂取し続けると、総摂取カロリーが過剰になる可能性があります。体重管理の基本は、摂取カロリーと消費カロリーのバランスであり、プロテインシェイクのカロリーもこの計算に含める必要があります。

特に牛乳で溶かして飲む場合や、脂質を多く含む製品を選んだ場合は、カロリーがさらに高くなります。ダイエット目的でプロテインシェイクを利用している場合でも、飲みすぎによって逆効果になることがあるため注意が必要です。水で溶かす、低脂肪牛乳を使用する、低カロリーの製品を選ぶなど、総摂取カロリーを管理する工夫が大切です。

まとめ

プロテインシェイクは、適切に活用すれば健康維持やダイエットに役立つ有用なツールです。健康効果やメリットを理解し、デメリットや飲みすぎのリスクにも注意を払いながら、自分の目的や身体の状態に合わせて利用することが大切です。タンパク質の必要量は個人差が大きく、年齢や性別、活動量、健康状態によって異なります。不安な点がある場合や、基礎疾患をお持ちの方は、医師や管理栄養士などの専門家に相談したうえで取り入れることをおすすめします。バランスの取れた食事と適度な運動を基本としながら、プロテインシェイクを補助的に活用し、健やかな生活を目指していきましょう。

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