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「プロテインシェイクの効果」は筋肉増強・ダイエットだけじゃない?健康効果も医師が解説!

 公開日:2025/12/12
「プロテインシェイクの効果」は筋肉増強・ダイエットだけじゃない?健康効果も医師が解説!

タンパク質は身体を構成する重要な栄養素であり、プロテインシェイクを通じた適切な摂取により、筋肉や免疫機能など多様な健康面への効果が期待できます。運動をされている方はもちろん、日常生活を送るうえでも欠かせない成分です。ここでは、科学的な根拠に基づいた基本的な健康効果について、筋肉への作用と免疫システムへの影響という2つの観点から詳しく見ていきます。

濱木 珠恵

監修医師
濱木 珠恵(ナビタスクリニック新宿)

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【経歴】
北海道大学医学部を卒業後、国立国際医療センターにて研修。
虎の門病院、国立がんセンター中央病院で造血幹細胞移植の臨床研究に従事。都立府中病院、都立墨東病院での血液疾患診療を経て、2012年にナビタスクリニック東中野院長、2016年よりナビタスクリニック新宿院長に就任。
貧血外来や女性内科などで女性の健康をサポート。

【専門・資格・所属】
血液内科、貧血、女性内科、内科一般

日本血液学会 専門医
日本内科学会 認定医

プロテインシェイクが身体にもたらす基本的な健康効果

プロテインシェイクの摂取により、筋肉の維持や免疫機能のサポートなど、身体にさまざまな健康効果が期待できます。ここでは、科学的な根拠とともに基本的な効果について解説します。

筋肉の維持・増強に対する効果

タンパク質は筋肉組織の主要な構成成分であり、プロテインシェイクを通じて適切に摂取することで、筋肉の維持や増強に寄与する可能性があります。運動後数時間以内にタンパク質を摂取することで筋合成を効率よく行えるとされますが、現在は“30分以内”といった厳密な時間より、1日の総タンパク質量がより重要と考えられています。特に運動習慣がある方にとっては、トレーニング効果を高める手段として有用です。

加齢とともに筋肉量は自然に減少する傾向にあり、加齢に伴い筋肉量は少しずつ減少するとされ、40〜50代以降では年1%前後の低下が見られるという報告もあります。この現象はサルコペニアと呼ばれ、日常生活動作の低下や転倒リスクの増加につながる可能性があります。プロテインシェイクによる適切なタンパク質補給は、この筋肉量の減少を緩やかにし、身体機能の維持に役立つと考えられています。

筋力トレーニングと組み合わせることで、筋肉の成長をサポートし、基礎代謝の向上にもつながります。ただし、プロテインシェイクだけで筋肉が増えるわけではなく、適切な運動と組み合わせることが重要です。個人の年齢や運動強度、既往歴によって効果には差があるため、自分に合った活用方法を見つけることが大切です。

免疫機能のサポートと体調管理

タンパク質は免疫細胞の材料となり、身体の防御機能を支える重要な役割を果たしています。プロテインシェイクによって十分なタンパク質を摂取することで、免疫系の正常な機能維持に貢献する可能性があります。タンパク質不足は免疫機能の低下を招き、感染症にかかりやすくなるリスクが高まることが知られています。

特に、食事からのタンパク質摂取が不足しがちな方や、体調を崩しやすい時期には、プロテインシェイクが栄養補給の手段として役立ちます。ただし、免疫機能は複数の栄養素や生活習慣が関わる複雑なシステムであり、タンパク質の摂取だけで免疫力が向上するわけではありません。バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動など、総合的な健康管理が必要です。

まとめ

プロテインシェイクは、適切に活用すれば健康維持やダイエットに役立つ有用なツールです。健康効果やメリットを理解し、デメリットや飲みすぎのリスクにも注意を払いながら、自分の目的や身体の状態に合わせて利用することが大切です。タンパク質の必要量は個人差が大きく、年齢や性別、活動量、健康状態によって異なります。不安な点がある場合や、基礎疾患をお持ちの方は、医師や管理栄養士などの専門家に相談したうえで取り入れることをおすすめします。バランスの取れた食事と適度な運動を基本としながら、プロテインシェイクを補助的に活用し、健やかな生活を目指していきましょう。

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