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健康診断の結果、どう見る?血液検査の主な種類と基準値の正しい解釈【医師解説】

 公開日:2025/12/19
健康診断の結果、どう見る?血液検査の主な種類と基準値の正しい解釈【医師解説】

血液検査は主に血球系の検査、生化学検査、その他の特殊検査に分類され、それぞれ異なる役割を担っています。血球系の検査では赤血球や白血球、血小板といった細胞成分を調べ、生化学検査では肝機能や腎機能、脂質代謝などを評価します。検査の組み合わせは患者さんの症状や医師の判断によって決定され、複数の項目を総合的に判断することで正確な評価が可能になります。ここでは主な検査カテゴリーと結果の見方について説明します。

濱木 珠恵

監修医師
濱木 珠恵(ナビタスクリニック新宿)

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【経歴】
北海道大学医学部を卒業後、国立国際医療センターにて研修。
虎の門病院、国立がんセンター中央病院で造血幹細胞移植の臨床研究に従事。都立府中病院、都立墨東病院での血液疾患診療を経て、2012年にナビタスクリニック東中野院長、2016年よりナビタスクリニック新宿院長に就任。
貧血外来や女性内科などで女性の健康をサポート。

【専門・資格・所属】
血液内科、貧血、女性内科、内科一般

日本血液学会 専門医
日本内科学会 認定医

血液検査の種類と目的

血液検査は主に血球系の検査、生化学検査、その他の特殊検査に分類され、それぞれ異なる目的と役割を持っています。

主な検査カテゴリー

血球系の検査では、赤血球、白血球、血小板といった血液中の細胞成分を調べます。これにより貧血や感染症、血液疾患の有無を評価することができます。生化学検査では、血液中に溶けている化学物質を測定し、肝機能、腎機能、脂質代謝、糖代謝などを評価します。

その他の検査には、血液型判定、凝固系検査、免疫学的検査、腫瘍マーカーなどが含まれます。これらは特定の疾患が疑われる場合や、より詳細な評価が必要な際に実施される傾向があります。検査の組み合わせは、患者さんの症状や医師の判断によって決定されます。

検査結果は基準値(正常範囲)と比較して評価されますが、基準値は検査施設や測定方法によって若干異なることがあります。また、年齢や性別、妊娠の有無などによっても基準値は変動する場合があります。単一の項目だけでなく、複数の項目を総合的に判断することが重要です。

検査結果の見方と解釈

検査結果の報告書には、測定値と基準値が併記されています。基準値から外れている項目は、多くの場合ハイライトされたり矢印で示されたりします。ただし、基準値を外れているからといって必ずしも病気があるとは限りません。

軽度の異常値は一時的な要因によるものも多く、再検査で正常化することもあります。逆に、基準値内であっても複数の項目が正常範囲の上限または下限に近い場合は、注意が必要なこともあります。検査結果の解釈には専門的な知識が求められるため、医師の説明をしっかり聞き、疑問点は遠慮なく質問することが大切です。

経時的な変化も重要な情報となります。過去の検査結果と比較することで、わずかな変化でも早期に異常を捉えられることがあります。そのため、検査結果は保管しておき、次回の検査時に持参すると役立ちます。自分の身体の状態を数値で把握し、変化を追うことは健康管理において大きな意味を持ちます。

まとめ

血液検査は全身の健康状態を把握できる有用な検査です。血球系検査、生化学検査、その他の特殊検査により、貧血、感染症、肝臓・腎臓の機能異常、糖尿病、脂質異常症など多様な疾患の早期発見が可能となります。定期的な検査により症状が現れる前の段階で異常を捉え、適切な対処を行うことで、重篤な合併症を予防できる可能性があります。検査結果を正しく理解し、医師の指導のもとで生活習慣の改善や必要な治療を行うことが大切です。年に1回は血液検査を受け、ご自身の健康管理に役立ててください。

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