粉瘤の手術費用はいくら?保険適用と自費診療の目安を医師が解説

粉瘤は自然に治ることはほとんどなく、再発を極力避けるには適切な治療が必要です。粉瘤の治療には主に手術による外科的摘出が選択されますが、その費用は手術の種類や粉瘤の大きさ、保険適用の有無などによって異なります。治療を検討する際の参考として、費用の概要を把握しておくことは重要です。保険診療と自費診療では金額に大きな差があるため、自身の状況に合わせた選択が求められます。

監修医師:
本木 智輝(医師)
新潟大学卒業
日本医科大学皮膚科 助教
目次 -INDEX-
粉瘤の手術費用の目安
粉瘤は自然に治ることはほとんどなく、再発を極力避けるには適切な治療が必要です。粉瘤の治療には主に手術による外科的摘出が選択されますが、その費用は手術の種類や粉瘤の大きさ、保険適用の有無などによって異なります。治療を検討する際の参考として、費用の概要を把握しておくことは重要です。
保険適用の手術費用
粉瘤の摘出手術は基本的に保険適用となる治療です。保険診療での自己負担額は、3割負担の場合で一般的に5,000円から15,000円程度の範囲となることが多いでしょう。粉瘤の大きさや部位、手術の難易度によって費用は変動します。
小さな粉瘤の単純摘出であれば比較的低額で済むことが多く、5,000円から8,000円程度の自己負担で治療が可能なケースもあります。一方、大きな粉瘤や複雑な部位に生じたもの、炎症を伴っているものなどは、手術時間が長くなったり、より高度な技術が必要となったりするため、費用が高くなる傾向にあります。
また、初診料や再診料、術前検査、切除した組織を調べる検査(病理検査)、薬剤費などが別途かかる場合があり、これらを含めると総額での自己負担は上記の金額よりも増える可能性があることを理解しておくとよいでしょう。
自費診療の場合の費用
美容的な配慮を重視した治療や、より傷跡が目立ちにくい特殊な手術方法を選択する場合には、自費診療となることがあります。自費診療の費用は医療機関によって大きく異なりますが、一般的に20,000円〜50,000円程度、場合によってはそれ以上の費用がかかることもあります。
顔面など目立つ部位の粉瘤では、美容的な仕上がりを重視して自費診療を選択する方もいます。くり抜き法や特殊な縫合技術を用いることで、傷跡を最小限に抑える工夫がなされることもあるのです。
自費診療を選択する際には、事前に医療機関で詳細な説明を受け、費用の見積もりを確認することが大切です。保険診療と自費診療の違い、それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、自身の希望や経済的な状況に合わせて選択するとよいでしょう。
まとめ
粉瘤は誰にでも生じる可能性がある良性の皮膚腫瘍ですが、放置すると徐々に大きくなり、炎症やにおいなどの問題を引き起こすことがあります。できやすい人の特徴を理解し、早期に発見することで、小さいうちに治療を受けることが可能となります。手術費用は保険適用で数千円〜1万円台が一般的であり、治療方法も複数の選択肢があります。においや美容面での悩みも含め、気になる症状があれば皮膚科や形成外科を受診し、専門医と相談しながら適切な治療を受けることをおすすめします。
参考文献