「アルコール依存症」が深刻化する前に現れる5つの行動パターンをご存じですか?【医師監修】

アルコール依存症は段階的に進行します。初期段階では飲酒のコントロールが徐々に難しくなり、予定よりも多く飲んでしまう、飲酒の機会を増やすといった行動が見られます。中期になると仕事や家庭生活に支障をきたし始め、周囲からの指摘を否認するようになります。精神的には不安や抑うつが顕在化し、社会的には人間関係の悪化や孤立が進みます。早期のサインに気づき、適切な対処をすることが深刻化を防ぐ鍵となります。

監修医師:
小坂 真琴(医師)
2022年4月~2024年3月、今村総合病院(鹿児島県鹿児島市)で初期研修を修了
2024年4月よりオレンジホームケアクリニック(福井県福井市) 非常勤医師として在宅診療を行いながら、福島県立医科大学放射線健康管理学講座大学院生として研究に従事
2025年10月よりナビタスクリニックに勤務
週1度、相馬中央病院 (福島県相馬市) 非常勤医師として内科外来を担当
依存症の進行段階と早期サインの見極め
アルコール依存症は段階的に進行します。早期の段階で気づき、適切な対処をすることで、深刻化を防ぐことができます。
初期から中期の行動パターン
依存症の初期段階では、飲酒のコントロールが徐々に難しくなります。予定よりも多く飲んでしまう、飲み始めると止められない、飲酒の機会を増やすといった行動が見られます。また、飲酒を正当化する理由を探したり、家族に隠れて飲んだりすることもあります。
中期になると、飲酒が生活の中心となり、仕事や家庭生活に支障をきたし始めます。二日酔いで欠勤する、約束を守れない、飲酒による失敗を繰り返すといった問題が生じます。周囲から飲酒について指摘されても否認したり、怒りを示したりすることが増えます。自分では問題ないと感じていても、客観的には明らかに飲酒行動に変化が現れているのがこの段階です。
心理的・社会的な影響の広がり
依存症が進行すると、精神的な問題が顕在化します。うつ症状や不安障害、睡眠障害などを併発しやすくなります。感情のコントロールが難しくなり、些細なことでイライラしたり、攻撃的になったりすることがあります。
社会的な面では、人間関係の悪化や孤立が進みます。家族との関係が損なわれ、友人や同僚との信頼関係も失われていきます。経済的な問題も深刻化し、飲酒のための借金や失業といった事態に至ることもあります。これらの問題がさらにストレスとなり、飲酒行動を加速させるという悪循環が形成されます。早い段階で専門機関に相談し、適切な支援を受けることが回復への第一歩となります。
まとめ
アルコール飲料は適切に利用すれば、生活に彩りを添える嗜好品となりますが、その作用や影響を正しく理解していないと、健康を損なうリスクがあります。本記事で解説したように、アルコールは中枢神経系に作用し、身体的・精神的にさまざまな影響を及ぼします。依存症は誰にでも起こり得る疾患であり、早期発見と適切な対処が重要です。自分の飲酒習慣を定期的に見直し、気になる点があれば早めに医療機関や専門機関に相談することをおすすめします。
参考文献