アルコール依存症を防ぐ「純アルコール20g」とはどのくらい? 適切な飲酒量を医師が解説

依存症を予防し、健康的にアルコールと付き合うためには、適切な飲酒習慣を身につけることが大切です。厚生労働省が示す節度ある飲酒の目安は、1日当たり純アルコール約20g程度とされていますが、女性や高齢者はより慎重な飲酒が必要です。食事と一緒に飲む、水を交互に飲む、休肝日を設けるといった工夫により、身体への負担を減らせます。また、妊娠中や服薬中、運転前といったリスクの高い状況では飲酒を避けることが重要です。

監修医師:
小坂 真琴(医師)
2022年4月~2024年3月、今村総合病院(鹿児島県鹿児島市)で初期研修を修了
2024年4月よりオレンジホームケアクリニック(福井県福井市) 非常勤医師として在宅診療を行いながら、福島県立医科大学放射線健康管理学講座大学院生として研究に従事
2025年10月よりナビタスクリニックに勤務
週1度、相馬中央病院 (福島県相馬市) 非常勤医師として内科外来を担当
安全な飲酒習慣と予防的アプローチ
依存症を予防し、健康的にアルコールと付き合うためには、適切な飲酒習慣を身につけることが大切です。
適正飲酒量とリスクの低い飲み方
厚生労働省が示す「節度ある適度な飲酒」の目安は、1日当たり純アルコール約20g程度とされています。これはビール中瓶1本(500mL)、日本酒1合(180mL)、ワイングラス2杯弱(200mL)に相当します。ただし、この量はあくまで成人男性の目安であり、女性や高齢者は一般にアルコールの影響を受けやすいため、同量でもリスクが高く、より慎重な飲酒が必要です。
リスクを減らすための飲み方として、以下のポイントが挙げられます。食事と一緒に飲むことで、吸収速度が緩やかになり、胃腸への刺激も軽減されます。水やお茶を交互に飲むことで脱水を防ぎ、飲酒ペースを抑えられます。週に2日程度の休肝日を設けることで、肝臓を休ませることができます。一気飲みや早飲みは避け、ゆっくりと味わいながら飲むことが大切です。
リスクの高い状況と避けるべき飲酒
妊娠中や授乳中の飲酒は、胎児や乳児の発達に悪影響を及ぼす可能性があるため、完全に避けるべきです。未成年者の飲酒も、発達途中の脳に深刻なダメージを与えるため禁止されています。また、薬を服用している場合は、アルコールとの相互作用により効果が変化したり、副作用が増強されたりすることがあります。
運転や機械操作の前後、危険を伴う作業をする際の飲酒は厳禁です。少量でも判断力や反応速度が低下するため、重大な事故につながります。ストレスや不安から逃れるための飲酒、睡眠のための飲酒も、依存症のリスクを高める飲み方です。これらの状況では、飲酒以外の対処方法を見つけることが重要です。
まとめ
アルコール飲料は適切に利用すれば、生活に彩りを添える嗜好品となりますが、その作用や影響を正しく理解していないと、健康を損なうリスクがあります。本記事で解説したように、アルコールは中枢神経系に作用し、身体的・精神的にさまざまな影響を及ぼします。依存症は誰にでも起こり得る疾患であり、早期発見と適切な対処が重要です。自分の飲酒習慣を定期的に見直し、気になる点があれば早めに医療機関や専門機関に相談することをおすすめします。
参考文献