目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「椎骨動脈解離」の再発を防ぐにはどうすればいい? 日常生活で避けるべきNG動作を医師が解説

「椎骨動脈解離」の再発を防ぐにはどうすればいい? 日常生活で避けるべきNG動作を医師が解説

 公開日:2026/02/26
椎骨動脈解離の再発率と長期予後

椎骨動脈解離を一度経験した方にとって、再発の可能性は大きな不安材料となります。医学的な報告では年間1〜2%程度の再発率とされていますが、両側の血管に解離があった方や結合組織疾患をお持ちの方など、リスクが高まる条件も明らかになっています。再発予防には、薬物療法の継続、血圧管理、生活習慣の改善といった長期的な取り組みが欠かせません。ここでは、実際の再発頻度とそのリスク因子、再発を防ぐための具体的な管理方法について解説します。

鮫島 哲朗

監修医師
鮫島 哲朗(医師)

プロフィールをもっと見る
脳神経外科
東京逓信病院脳神経外科部長
脳腫瘍 頭蓋底外科センター長

【経歴】
平成2年3月 宮崎医科大学(現宮崎大学)卒業
平成2年6月 宮崎医科大学(現宮崎大学)脳神経外科入局
平成3年4月 九州大学救急部研修(厚生省研修プログラム)
平成14年4月 Duke University Medical Center, USA
University of Torino , Italy
平成22年2月 NTT東日本関東病院脳神経外科主任医長
平成25年4月 浜松医科大学脳神経外科准教授
令和6年10月 東京逓信病院脳神経外科部長 脳腫瘍頭蓋底外科センター長

【専門・資格】
脳腫瘍 頭蓋底腫瘍 困難な脳外科手術等
医学博士
日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本脳卒中学会 専門医

椎骨動脈解離の再発率と長期予後

椎骨動脈解離を一度経験した方にとって、再発のリスクは大きな懸念事項です。実際の再発率はどの程度なのか、そして再発を予防するために何ができるのかについて解説します。

再発の頻度とそのリスク因子

椎骨動脈解離の再発率については、複数の研究が行われています。報告によって幅がありますが、概ね年間1〜2%程度の再発率が示されています。これは相対的に低い数値ですが、再発の可能性は残るため、長期的な経過観察が大切です。再発は、初回と同じ部位で起こることもあれば、反対側の椎骨動脈や他の頚部血管で発症することもあります。
再発リスクを高める因子として、初回発症時に両側の椎骨動脈に解離を認めた場合が挙げられます。また、結合組織疾患などの基礎疾患を有する方、若年発症例、家族歴を有する方などもリスクが高い可能性があります。さらに血圧コントロールが不良な方や、喫煙を継続している方も再発リスクが高まると考えられています。これらの修正可能な危険因子については、生活習慣の改善や治療介入によりリスク低減が期待されます。定期的な画像検査によって血管の状態を確認し、危険因子の管理を継続することが、再発予防において重要です。

再発予防のための継続的管理

再発予防の基本は、初回発症後の治療を継続することです。抗血小板薬や抗凝固薬などの薬物療法は、医師の指示に従って継続する必要があります。自己判断での中断は、血栓形成や再発のリスクを高める可能性があるため避けましょう。薬の副作用などで服薬が難しい場合には、中断する前に必ず主治医に相談してください。
血圧管理も再発予防における重要な要素です。家庭での血圧測定を習慣化し、毎日決まった時間に血圧を記録しましょう。血圧が目標値を上回る状態が続く場合は、速やかに医療機関を受診し、降圧薬の調整を受けることが大切です。さらに塩分の制限や適度な運動など、生活習慣の改善も血圧コントロールに有効です。
急激な首の動きや、首に強い力がかかる動作は、首への負担をかけるため、避けることも大切です。重い物を持ち上げる際には、首だけでなく全身を使うように意識すること、また長時間同じ姿勢を続けることも避け、適度に姿勢を変えることが推奨されます。これらの日常的な注意点を守りながら、定期的な医療機関での経過観察を継続することで、再発リスクを可能な限り低減することができます。

まとめ

椎骨動脈解離は、突然の頭痛や首の痛みといった見過ごしやすい症状から始まることも多い疾患です。初期症状を正確に認識し、速やかに医療機関を受診することで、重篤な合併症を予防できる可能性が高まります。適切な治療により多くの方が回復されていますが、再発予防のためには長期的な管理が欠かせません。血圧コントロール、ストレス管理、定期的な画像検査など、継続的な取り組みが重要です。気になる症状がある場合には、早めに神経内科や脳神経外科を受診し、専門医の診察を受けることをおすすめします。

この記事の監修医師

注目記事