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「椎骨動脈解離」を招く“4つの生活習慣病”とは? 動脈硬化や高血圧が血管を脆くする理由を医師が解説

 公開日:2026/02/24
椎骨動脈解離のその他の危険因子

外傷や血管の脆弱性以外にも、椎骨動脈解離の発症リスクを高める要因は複数存在します。高血圧による持続的な血管壁への負担、動脈硬化による血管の柔軟性低下、感染症や炎症性疾患に伴う血管壁の変化など、さまざまな因子が解離のリスクに関わっています。これらの危険因子は複数が重なることで、リスクがさらに高まることも知られています。ここでは、高血圧や動脈硬化、感染症といった椎骨動脈解離に関連する危険因子について解説します。

鮫島 哲朗

監修医師
鮫島 哲朗(医師)

プロフィールをもっと見る
脳神経外科
東京逓信病院脳神経外科部長
脳腫瘍 頭蓋底外科センター長

【経歴】
平成2年3月 宮崎医科大学(現宮崎大学)卒業
平成2年6月 宮崎医科大学(現宮崎大学)脳神経外科入局
平成3年4月 九州大学救急部研修(厚生省研修プログラム)
平成14年4月 Duke University Medical Center, USA
University of Torino , Italy
平成22年2月 NTT東日本関東病院脳神経外科主任医長
平成25年4月 浜松医科大学脳神経外科准教授
令和6年10月 東京逓信病院脳神経外科部長 脳腫瘍頭蓋底外科センター長

【専門・資格】
脳腫瘍 頭蓋底腫瘍 困難な脳外科手術等
医学博士
日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本脳卒中学会 専門医

椎骨動脈解離のその他の危険因子

外傷や血管の脆弱性以外にも、椎骨動脈解離の発症リスクを高める要因がいくつかあります。これらの危険因子を理解し、該当する方は特に注意を払いましょう。

高血圧や動脈硬化との関連

高血圧は、椎骨動脈解離の重要な危険因子の一つです。持続的な高血圧状態は、血管壁に常に高い圧力をかけ続けることになります。この機械的なストレスが血管壁の損傷を引き起こし、解離の発症につながる可能性があります。特に、血圧が急激に変動する状況は、血管壁への負担がさらに増大すると考えられています。
動脈硬化も椎骨動脈解離のリスクを高める要因です。動脈硬化が進行すると血管壁の柔軟性が失われ、通常では問題にならない程度の刺激でも、血管壁に亀裂が入りやすくなります。加齢とともに動脈硬化は進行しますが、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などの因子が加わると、その進行が加速されることが知られています。
これらの危険因子を複数持つ場合、そのリスクは相乗的に高まります。定期的な健康診断を受け、血圧や血糖値、コレステロール値などを適切に管理することが大切です。異常値が認められた場合には、生活習慣の改善や、必要に応じて薬物療法を開始することで、血管の健康を維持し、椎骨動脈解離の予防につなげましょう。

感染症や炎症性疾患の影響

感染症や炎症性疾患も、椎骨動脈解離の発症に影響することがあります。血管炎と呼ばれる血管壁に炎症が生じる疾患では、炎症によって血管壁が脆弱化し、解離が起こりやすくなることが報告されています。特定の自己免疫疾患においても、血管壁への炎症性変化が解離のリスクを高める可能性が指摘されています。
研究では、上気道感染症などの感染症が先行した後に椎骨動脈解離が発症する例も報告されています。感染症に伴う全身性の炎症反応が血管壁に影響し、さらに発熱による血圧変動や脱水が発症リスクを高める要因となると考えられています。
また、片頭痛と椎骨動脈解離との関連も指摘されています。片頭痛を持つ方は、血管の収縮と拡張が繰り返されることで、血管壁への負担が増大する可能性があります。また、片頭痛と椎骨動脈解離の両方に共通する血管の脆弱性が存在する可能性も考えられています。片頭痛を持つ方で、いつもと異なる性質の頭痛が現れた場合には、椎骨動脈解離の可能性も念頭に置き、速やかに医療機関を受診することが勧められます。

まとめ

椎骨動脈解離は、突然の頭痛や首の痛みといった見過ごしやすい症状から始まることも多い疾患です。初期症状を正確に認識し、速やかに医療機関を受診することで、重篤な合併症を予防できる可能性が高まります。適切な治療により多くの方が回復されていますが、再発予防のためには長期的な管理が欠かせません。血圧コントロール、ストレス管理、定期的な画像検査など、継続的な取り組みが重要です。気になる症状がある場合には、早めに神経内科や脳神経外科を受診し、専門医の診察を受けることをおすすめします。

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