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放置厳禁な“首の痛み”とは? 「椎骨動脈解離」の回復を支える心のケアと注意点を医師が解説

 公開日:2026/02/17
慢性的なストレスが回復過程に与える影響

椎骨動脈解離からの回復には、血管が安定し症状が落ち着くまでの十分な時間が必要です。しかし、首への物理的な負担だけでなく、再発への不安や日常生活のプレッシャーといった心理的なストレスも、回復の妨げとなることがあります。回復期に避けるべき首の動きや姿勢を理解し、無理のない範囲で活動を再開していくことが大切です。ここでは、安全に日常生活を続けるための工夫や、心のケアを含めた回復期の過ごし方について解説します。

鮫島 哲朗

監修医師
鮫島 哲朗(医師)

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脳神経外科
東京逓信病院脳神経外科部長
脳腫瘍 頭蓋底外科センター長

【経歴】
平成2年3月 宮崎医科大学(現宮崎大学)卒業
平成2年6月 宮崎医科大学(現宮崎大学)脳神経外科入局
平成3年4月 九州大学救急部研修(厚生省研修プログラム)
平成14年4月 Duke University Medical Center, USA
University of Torino , Italy
平成22年2月 NTT東日本関東病院脳神経外科主任医長
平成25年4月 浜松医科大学脳神経外科准教授
令和6年10月 東京逓信病院脳神経外科部長 脳腫瘍頭蓋底外科センター長

【専門・資格】
脳腫瘍 頭蓋底腫瘍 困難な脳外科手術等
医学博士
日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本脳卒中学会 専門医

慢性的なストレスが回復過程に与える影響

椎骨動脈解離の回復には、血管が安定し、症状が落ち着くまでの時間が必要です。首に繰り返し加わる物理的な負担に加え、再発への不安や仕事・家事のプレッシャーといったストレスが回復の妨げになりうることもあります。

回復期に避けたい首の動きと姿勢

解離した血管が修復していく過程で、急激な首の動きや大きくひねる・反らせるといった動作はできるだけ控えることが望ましいといわれています。具体的には、重い荷物を高い位置から引き下ろす際に首だけを後ろに反らせる動作や、高い棚の物を取るときに首を限界まで上に向ける動き、急に後ろを振り向くような振り返りの動作などは、血管への負担になる可能性があります。
また、長時間同じ姿勢を続けることも、首の筋肉と血管にとってはじわじわとしたストレスです。パソコン作業で画面を覗き込むような姿勢が続いたり、スマートフォンを長時間うつむいたまま操作したりすると、首の後ろ側に負担が集中します。回復期には、一定時間ごとに休憩を挟み、椅子の高さや画面の位置を調整するなど、首にかかる力を分散させる工夫が大切です。就寝時の枕も、高すぎたり低すぎたりすると首の角度が不自然になりやすいため、自分に合った高さを選びましょう。

安全に日常生活を続けるための工夫と心のケア

回復期だからといって、すべての活動を制限し続ける必要ありません。「何をどこまでしてよいか」がわからないと、不安から必要以上に体を動かさなくなってしまうこともあるでしょう。回復期は主治医と相談しながら、ウォーキングや軽いストレッチなど、首に過度な負担をかけない範囲の運動から少しずつ再開していくといいでしょう。家事や仕事についても、重いものを運ぶ作業は他の人に手伝ってもらう、長時間同じ姿勢が続く業務はこまめに姿勢を変えるなど、工夫次第で首へのストレスを減らすことができます。
一方で、「また悪くなったらどうしよう」という不安や、職場や家庭でのプレッシャーは、知らずしらずのうちに身体的な緊張を高め、首や肩に力が入りやすい状態を生み出しやすいです。不安が強いと、わずかな痛みや違和感にも敏感になり、結果として疲れやすさや睡眠の質の低下を招くこともあります。気になる症状が続くときは一人で抱え込まず、主治医に相談して必要な検査で状態を確認してもらうことで、過度な心配を和らげられるでしょう。心配や緊張が強いときには、短時間でも深呼吸をして体の力を抜く時間をつくる、趣味や家族との時間を意識的に持つなど、自分なりのリラックス方法を取り入れることが、回復を支える一つの要素になります。

まとめ

椎骨動脈解離は、突然の頭痛や首の痛みといった見過ごしやすい症状から始まることも多い疾患です。初期症状を正確に認識し、速やかに医療機関を受診することで、重篤な合併症を予防できる可能性が高まります。適切な治療により多くの方が回復されていますが、再発予防のためには長期的な管理が欠かせません。血圧コントロール、ストレス管理、定期的な画像検査など、継続的な取り組みが重要です。気になる症状がある場合には、早めに神経内科や脳神経外科を受診し、専門医の診察を受けることをおすすめします。

この記事の監修医師

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