「椎骨動脈解離」の初期症状3選! 後頭部の激痛や首の違和感の特徴を医師が解説

椎骨動脈解離は、初期段階では日常的な頭痛や首の痛みと区別がつきにくく、見逃されやすい疾患です。しかし、この段階で適切に対処できれば、脳梗塞やくも膜下出血といった重篤な合併症を防げる可能性が高まります。突然現れる激しい後頭部の痛みや、首の奥から響くような違和感など、特徴的なサインを理解しておくことが早期発見の鍵となります。ここでは、見逃してはいけない初期症状の特徴と、日常的な不調との見分け方について解説します。

監修医師:
鮫島 哲朗(医師)
東京逓信病院脳神経外科部長
脳腫瘍 頭蓋底外科センター長
【経歴】
平成2年3月 宮崎医科大学(現宮崎大学)卒業
平成2年6月 宮崎医科大学(現宮崎大学)脳神経外科入局
平成3年4月 九州大学救急部研修(厚生省研修プログラム)
平成14年4月 Duke University Medical Center, USA
University of Torino , Italy
平成22年2月 NTT東日本関東病院脳神経外科主任医長
平成25年4月 浜松医科大学脳神経外科准教授
令和6年10月 東京逓信病院脳神経外科部長 脳腫瘍頭蓋底外科センター長
【専門・資格】
脳腫瘍 頭蓋底腫瘍 困難な脳外科手術等
医学博士
日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本脳卒中学会 専門医
椎骨動脈解離の初期症状を見逃さないために
椎骨動脈解離の初期症状は、日常的な不調と混同されやすい特徴があります。最も頻度が高いのは、血管が裂けたことによる「痛みのみ」の段階です。ここで適切に診断され、安静や薬物治療が行われれば、脳梗塞やくも膜下出血への進行を防げる可能性は高くなります。まずこの「初期症状=痛みのサイン」をどのように見分けるかを押さえておきましょう。
突然の激しい頭痛や首の痛みなどの初期症状
椎骨動脈解離の代表的な初期症状として、突然発症する激しい頭痛が挙げられます。この頭痛は後頭部から首筋にかけて現れることが多く、患者さんの多くが「今までに経験したことのないような痛み」と表現します。痛みの性質は持続的で、ズキズキとした拍動性の痛みというよりも、重苦しく締め付けられるような感覚を伴うことが一般的です。
首の痛みについても注意が必要です。特に片側の首から後頭部にかけての痛みが突然現れた場合、椎骨動脈解離を疑う必要があります。この痛みは頭を動かすことで増強する傾向にあり、安静にしていても持続することが特徴です。日常的な肩こりや寝違えとは異なり、鋭い痛みとして自覚されることが多いといわれています。
まためまいや吐き気を伴うケースも少なくありません。これらの症状が組み合わさって現れた場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。特に、激しい頭痛が数分から数時間の間に急激に悪化する場合や、意識障害を伴う場合には、緊急の対応が必要となります。
日常的な肩こりや寝違えとの違い
日常的な肩こりや寝違えと椎骨動脈解離の痛みは、自覚症状だけでは区別がつきにくいことが多くあります。ただし、いくつかのポイントを意識することで、「いつもと違う痛み」を判断しやすくなります。
椎骨動脈解離では、痛みの始まりが非常に急であり、「ある瞬間を境にいきなり激痛になった」と感じることが多いといわれています。痛みの場所も、肩全体というよりは首の奥や後頭部の深いところに限局し、首の向きを変えたときに強く響くように感じられます。市販の鎮痛薬や湿布、マッサージで改善が乏しい点も特徴的です。
特に、交通事故やスポーツで激しく転倒したあと、整体やカイロプラクティックで首を大きくひねる施術を受けたあと、美容院で首を強く反らせた姿勢が長く続いたあとなどに、突然の後頭部〜首の痛みが出た場合には、単なる筋肉痛や寝違えと決めつけず、脳神経外科や神経内科を受診することをおすすめします。
まとめ
椎骨動脈解離は、突然の頭痛や首の痛みといった見過ごしやすい症状から始まることも多い疾患です。初期症状を正確に認識し、速やかに医療機関を受診することで、重篤な合併症を予防できる可能性が高まります。適切な治療により多くの方が回復されていますが、再発予防のためには長期的な管理が欠かせません。血圧コントロール、ストレス管理、定期的な画像検査など、継続的な取り組みが重要です。気になる症状がある場合には、早めに神経内科や脳神経外科を受診し、専門医の診察を受けることをおすすめします。