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貧血じゃないかも? 「危険な不整脈」の医師が警告する隠れたサインとは

 公開日:2025/12/14
日常生活で注意すべき不整脈の症状パターン

不整脈の症状は、日常のさまざまな場面で現れることがあります。めまいや失神、疲労感といった症状が、実は心臓のリズムの乱れと関連している可能性も少なくありません。これらの症状がどのような状況で起こりやすいのか、またどの程度注意が必要なのかを知っておくことで、早期発見と適切な対処が可能となります。ここでは日常生活で気をつけたい症状について解説します。

小坂 真琴

監修医師
小坂 真琴(医師)

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2022年、東京大学医学部卒業
2022年4月~2024年3月、今村総合病院(鹿児島県鹿児島市)で初期研修を修了
2024年4月よりオレンジホームケアクリニック(福井県福井市) 非常勤医師として在宅診療を行いながら、福島県立医科大学放射線健康管理学講座大学院生として研究に従事
2025年10月よりナビタスクリニックに勤務
週1度、相馬中央病院 (福島県相馬市) 非常勤医師として内科外来を担当

日常生活で注意すべき不整脈の症状パターン

不整脈の症状は日常生活のさまざまな場面で現れます。めまいや失神、疲労感といった症状が出やすいタイミングや状況を知っておくことで、早期発見と適切な対処につながるでしょう。

めまいや失神を引き起こす症状

不整脈によって脳への血流が一時的に減少すると、めまいや立ちくらみ、さらには失神といった症状が現れることがあります。特に注意が必要なのは、突然の意識消失を伴う失神です。
徐脈性不整脈では心拍数が著しく低下するため、脳に十分な血液が供給されず、ふらつきや目の前が暗くなる感覚を覚えることがあるでしょう。洞不全症候群や房室ブロックといった疾患では、心拍が数秒間停止することもあり、その際に失神が起こる可能性があります。
一方、頻脈性不整脈でも失神は起こり得ます。心室頻拍や心室細動などの危険な不整脈では、心臓が効率的に血液を送り出せなくなるため、意識を失うことがあるのです。このような場合は緊急対応が必要な状態といえます。
立ち上がった際にめまいを感じる起立性低血圧との区別も重要です。不整脈によるめまいは体位に関係なく突然起こることが特徴であり、前触れなく意識が遠のく感覚がある場合には、循環器内科での精密検査が推奨されます。

疲労感や倦怠感として現れる症状

不整脈が慢性的に続くと、全身の倦怠感や疲労感として症状が現れることがあります。これは心臓のポンプ機能が十分に働かず、全身の組織に必要な酸素や栄養が届きにくくなるためです。
特に持続性不整脈では、心臓の拍出量が通常よりも低下することもあり、その結果として日常的な活動でも疲れやすくなります。以前は問題なくできていた家事や仕事が負担に感じられるようになったり、休息しても疲れが取れにくくなったりした場合には、不整脈の可能性を考慮すべきでしょう。
夜間の睡眠が十分に取れているにもかかわらず、日中の眠気や集中力の低下を感じる場合も、心臓機能の低下を示唆するサインとなります。不整脈による睡眠の質の低下が、さらなる疲労感を生む悪循環を形成することもあるのです。

まとめ

不整脈は誰にでも起こり得る症状ですが、その中には生命に関わる危険なものも含まれます。動悸や胸の違和感、めまいといった症状を感じた際には、自己判断せずに医療機関を受診することが重要です。特に失神や強い胸痛を伴う場合には、速やかな受診が求められるでしょう。
不整脈の原因は心臓の疾患だけでなく、ストレスや生活習慣、加齢など多岐にわたるため、総合的な評価が必要となります。適切な診断と治療により、多くの不整脈は良好にコントロールでき、突然死のリスクも大幅に軽減できるのです。気になる症状がある方は、循環器内科の専門医にご相談ください。

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