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動悸・めまいは危険なサイン? 「不整脈」で体が発する3つのSOS【医師解説】

 公開日:2025/12/13
不整脈の基本的な症状と自覚できるサイン

不整脈による症状は個人差が大きく、まったく自覚がない方もいれば、日常生活に支障をきたすほど強く感じる方もいらっしゃいます。動悸や脈の乱れ、胸の違和感といった症状について理解を深めることで、適切なタイミングでの受診につながるでしょう。ここでは、不整脈でよく見られる自覚症状の特徴と、注意すべきポイントについて詳しく見ていきます。

小坂 真琴

監修医師
小坂 真琴(医師)

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2022年、東京大学医学部卒業
2022年4月~2024年3月、今村総合病院(鹿児島県鹿児島市)で初期研修を修了
2024年4月よりオレンジホームケアクリニック(福井県福井市) 非常勤医師として在宅診療を行いながら、福島県立医科大学放射線健康管理学講座大学院生として研究に従事
2025年10月よりナビタスクリニックに勤務
週1度、相馬中央病院 (福島県相馬市) 非常勤医師として内科外来を担当

不整脈の基本的な症状と自覚できるサイン

不整脈は心臓のリズムが乱れる状態を指し、その症状は多岐にわたります。動悸や脈の乱れ、胸の違和感など、日常生活で気づきやすい症状について理解しておくことが大切です。

動悸や脈の乱れとして現れる症状

不整脈でもっとも多く自覚される症状が動悸です。動悸とは心臓の鼓動を強く感じたり、脈が速くなったり遅くなったりする状態を指します。健康な方でも運動後や緊張したときに動悸を感じることはありますが、安静時や就寝前に突然感じる動悸は注意が必要でしょう。
脈の乱れには大きく分けて3つのパターンがあります。脈が速くなる頻脈、脈が遅くなる徐脈、そして脈の不整です。頻脈では1分間に100回以上の脈拍となり、ドキドキとした激しい動悸を感じることがあるでしょう。一方、徐脈では1分間に50回以下となり、めまいやふらつきを伴うこともあります。
期外収縮は本来のリズムよりも早いタイミングで収縮した後、通常よりも長い休止期を伴う状態で、「脈が飛ぶ」「心臓が一瞬止まる」といった表現で語られることが多い症状です。健康な方でも1日に数百回程度の期外収縮が起こることは珍しくありませんが、頻度が高い場合や症状が強い場合には医療機関での確認が推奨されます。

胸の違和感や息苦しさを伴う症状

不整脈に伴って胸の違和感や息苦しさを感じる方も少なくありません。胸の圧迫感、締め付けられるような感覚、胸の中央部分の痛みなどは、心臓への血流が十分でない可能性を示唆する症状です。
息苦しさは心臓のポンプ機能が低下することで、全身に十分な酸素を送れなくなった結果として現れます。階段を上ったり軽い運動をしたりした際に、以前よりも息切れしやすくなった場合は注意が必要です。また、横になると息苦しさが増し、座ると楽になるという症状は、心不全を伴う可能性もあるため、早めの受診が推奨されます。
胸の違和感は狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患に関連することもあります。特に冷や汗を伴う場合や左肩や顎への放散痛がある場合には、速やかな受診が求められるでしょう。これらの症状が不整脈と同時に現れる場合、心臓に何らかの器質的な問題が存在する可能性が高まります。

まとめ

不整脈は誰にでも起こり得る症状ですが、その中には生命に関わる危険なものも含まれます。動悸や胸の違和感、めまいといった症状を感じた際には、自己判断せずに医療機関を受診することが重要です。特に失神や強い胸痛を伴う場合には、速やかな受診が求められるでしょう。
不整脈の原因は心臓の疾患だけでなく、ストレスや生活習慣、加齢など多岐にわたるため、総合的な評価が必要となります。適切な診断と治療により、多くの不整脈は良好にコントロールでき、突然死のリスクも大幅に軽減できるのです。気になる症状がある方は、循環器内科の専門医にご相談ください。

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