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「中性脂肪の検査」で精密検査が必要になるのはどんなケース?【医師監修】

 公開日:2025/12/27
中性脂肪で再検査が必要な場合の対処法

一度の検査で異常値が出たとしても、それが本当に継続的な問題なのか、一時的なものなのかは再検査でしか判断できません。また、数値の高さによってはさらに詳しい検査が必要になることもあります。再検査の意義や、精密検査が必要なケースについて理解しておきましょう。

濱木 珠恵

監修医師
濱木 珠恵(ナビタスクリニック新宿)

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【経歴】
北海道大学医学部を卒業後、国立国際医療センターにて研修。
虎の門病院、国立がんセンター中央病院で造血幹細胞移植の臨床研究に従事。都立府中病院、都立墨東病院での血液疾患診療を経て、2012年にナビタスクリニック東中野院長、2016年よりナビタスクリニック新宿院長に就任。
貧血外来や女性内科などで女性の健康をサポート。

【専門・資格・所属】
血液内科、貧血、女性内科、内科一般

日本血液学会 専門医
日本内科学会 認定医

再検査が必要な場合の対処法

健康診断で異常値が出た場合、再検査や精密検査を求められることがあります。適切に対応することで、早期に問題を把握できます。

再検査の意義とタイミング

健康診断で中性脂肪が高いと判定された場合、まずは再検査を行い、その数値が一時的なものか継続的なものかを確認します。体調や前日の食事内容により、数値が一時的に上昇することもあるためです。再検査は通常、1〜3ヶ月後に実施されます。
再検査でも高値が続く場合は、生活習慣の改善を開始し、3〜6ヶ月後に再度検査を行います。この期間に数値の改善が見られない場合や、数値がさらに上昇している場合は、薬物療法の導入や他の疾患の可能性を検討することになります。再検査の指示があった場合は、必ず受診することが大切です。

精密検査が必要なケース

中性脂肪が極端に高い場合(500mg/dL以上)や、他の脂質項目にも異常がある場合、家族歴に脂質異常症や心血管疾患がある場合などは、より詳しい精密検査が必要になることがあります。精密検査では、遺伝性の脂質異常症の有無や、二次性の原因(糖尿病、甲状腺疾患、腎疾患など)を調べます。
また、動脈硬化の進行度を評価するため、頸動脈エコー検査や血圧脈波検査(ABI/PWV)が行われることもあります。これらの検査により、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを早期に把握し、適切な予防策を講じることが可能になります。精密検査が必要と判断された場合は、医師の指示に従って適切な医療機関を受診しましょう。

まとめ

中性脂肪の改善は、短期間では実現しません。しかし、日々の食生活や飲み物の選択、適度な運動習慣を積み重ねることで、徐々に数値の変化を感じられる方もいらっしゃいます。健康診断で異常を指摘された場合は、放置せず早めに対処することが重要です。再検査や精密検査が必要な場合は、医療機関の指示に従い、必要に応じて専門の医師の診察を受けてください。中性脂肪は生活習慣の鏡ともいえる指標です。今日からできる小さな改善を始めることで、将来の健康リスクを減らせる可能性があります。

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