「中性脂肪」を下げるにはどんな「飲み物」は避けた方がいいの?【医師監修】

お茶の種類は緑茶やウーロン茶だけではありません。カフェインが気になる方や、体質に合わせて飲み物を選びたい方にとって、ほかにも選択肢があることを知っておくと役立ちます。また、中性脂肪を上げやすい飲み物についても、しっかり理解しておくことが大切です。

監修医師:
濱木 珠恵(ナビタスクリニック新宿)
北海道大学医学部を卒業後、国立国際医療センターにて研修。
虎の門病院、国立がんセンター中央病院で造血幹細胞移植の臨床研究に従事。都立府中病院、都立墨東病院での血液疾患診療を経て、2012年にナビタスクリニック東中野院長、2016年よりナビタスクリニック新宿院長に就任。
貧血外来や女性内科などで女性の健康をサポート。
【専門・資格・所属】
血液内科、貧血、女性内科、内科一般
日本血液学会 専門医
日本内科学会 認定医
その他の効果的な飲み物と注意点
緑茶やウーロン茶以外にも、中性脂肪対策に役立つ飲み物があります。日常生活の中で無理なく取り入れられるものを選び、逆に中性脂肪を上げやすい飲み物はしっかり避けることが大切です。ここでは、体にやさしく続けやすいお茶と、注意したい飲み物について解説します。
麦茶・黒豆茶・ルイボスティーの活用
ノンカフェインの飲み物として、麦茶や黒豆茶、ルイボスティーも日常的に取り入れやすい選択肢です。夏場に定番の麦茶は血圧の上昇を穏やかにしてくれるGABAや、むくみ改善に役立つカリウムが含まれ、水分補給をしながら血圧の安定や利尿作用が期待できます。
香ばしい味わいが魅力の黒豆茶には、女性ホルモンのバランスを整えるのに役立つ大豆イソフラボンやアントシアニンが含まれ、抗酸化作用や脂質代謝のサポートが見込めます。ルイボスティーはミネラルが豊富で、抗酸化物質であるルイボスフラボノイドを含みます。カフェインフリーのため、就寝前や妊娠中の方でも飲みやすい点が魅力です。
いずれも砂糖やミルクを加えずに飲むことで、余分なカロリー摂取を避けられます。自分の体質や生活リズムに合わせて選ぶことが大切です。
避けるべき飲み物—清涼飲料水とアルコール
一方で避けるべき飲み物もあります。中性脂肪を下げたい場合、糖分を含む清涼飲料水は控えるべきです。炭酸飲料やスポーツドリンク、フルーツジュース、カフェラテなどには、想像以上に糖質が含まれています。500mLのペットボトル1本で角砂糖10個分以上の糖質を摂取してしまうケースもめずらしくありません。これらを毎日のように飲んでいると、血糖値が急激に上がり、余分な糖が中性脂肪として蓄積されてしまいます。果汁100%だから健康的だと思われがちなジュースも注意が必要です。果糖が多く含まれており、摂りすぎると脂質異常の要因になります。喉が渇いたときは水やお茶を基本とし、どうしても甘いものが飲みたいときは、炭酸水にレモンを加えるなど工夫するといいでしょう。
アルコールも中性脂肪値に大きな影響を与えます。アルコールは肝臓で分解される過程で中性脂肪を作り出すため、飲酒量が多い人ほど血中の中性脂肪値が高くなる傾向があります。さらに、お酒のおつまみとして高カロリーな食べ物を選びやすい点もリスクです。飲酒習慣がある方は休肝日を設けるなどの工夫が必要です。飲酒習慣がある方は休肝日を設けたり、飲酒量自体を減らすことが基本です。飲む場合でも、適量にとどめるとともに、ビールや日本酒よりも糖質の少ない焼酎やウイスキーなどを選ぶのが望ましいでしょう。また、空腹時の飲酒は血中脂肪を急上昇させる要因になるため、軽い食事と一緒に楽しむのが理想的です。
まとめ
中性脂肪の改善は、短期間では実現しません。しかし、日々の食生活や飲み物の選択、適度な運動習慣を積み重ねることで、徐々に数値の変化を感じられる方もいらっしゃいます。健康診断で異常を指摘された場合は、放置せず早めに対処することが重要です。再検査や精密検査が必要な場合は、医療機関の指示に従い、必要に応じて専門の医師の診察を受けてください。中性脂肪は生活習慣の鏡ともいえる指標です。今日からできる小さな改善を始めることで、将来の健康リスクを減らせる可能性があります。